校長先生の式辞桜の枝に、新しい芽もふくらみ始め、春の訪れを感じるころとなりました。本日卒業される卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。ご来賓の皆様、地域の皆様、本日はご多用のところ、本校卒業式を祝うとともに、卒業生の激励のためにご臨席くださいましたことに心からお礼申し上げます。 さて、卒業生の皆さん、皆さんは本校の第70回目の卒業生として、義務教育を修了し、自らの人生に向けて新たな道を歩み始めました。皆さんは、本校の最上級生として、この一年間、学校生活のあらゆる場面で、一・二年生の手本となる活躍を見せてくれました。駒沢中学校として初めて、世田谷区中学校陸上競技大会で総合優勝を勝ち取る原動力となったのは、皆さんです。私は、皆さんを駒沢中学校の卒業生として送り出せることを心から誇りに思います。ここで、皆さんの輝かしい門出にあたり、はなむけの言葉を贈りたいと思います。 一つ目は「失敗を恐れず挑戦すること」です。 人は誰でも、自分の努力が実を結んで、目標を達成したいと願います。しかし、そう願ってもなかなか思い通りにはならないものです。つまり、失敗するのは当たり前ということでもあります。大切なのは、失敗して、原因を振り返って、やり直すことです。多くの場合、失敗の繰り返しが成功を導くのだと思います。プロバスケットボールNBAの元スーパースター、マイケル・ジョーダン氏は、このような言葉を残しています。「高校時代は選抜チームの選考に漏れた。今まで9000回もシュートをはずした。300試合に敗れ、決勝シュートを任されて26回も外した。人生で何度も失敗してきた。だから私は成功した。」失敗して、悲嘆にくれ、思い悩んでこそ、人は成長していけるのだと思います。自分を奮い立たせ、粘り強く挑戦し続けられる人になってください。 二つ目は「新たな出会いを大切にすること」です。 人との出会いだけではなく、様々なできごとにも出会います。そして、その出会いの多くは偶然おこります。その偶然の出会いを人生のチャンスと考え、肯定的、積極的に捉えることで、最大限に活かすことができるという考え方があります。私たちの長い人生には、様々なことが起こります。その人にとっては、そのできごとが不幸と感じるできごとでも、長い人生で振り返れば、そのことがあったおかげで今の自分がある、と思える体験があります。偶然おこるどのような出会いも、自分にとってのチャンスと前向きに捉えて、自らチャンスを作り出し、チャンスによって自らを変えていってください。「他の人」と「過去」は変えられませんが、「自分」と「未来」は変えることができるのです。 どのようなできごとに出会っても、そうなる原因を自分の中に見つけようとする人は必ず進歩します。うまくいかないことを人のせいにするのではなく、前向きに捉えて自分の人生を切り拓ける人になってください。 この二つのことを実践して、信頼される立派な人に成長してくれることを心から期待しています。 最後になりましたが、保護者の皆様、本日はおめでとうございます。お子様の成長した姿をご覧になり、これまでの十五年間のことが思い出され、感慨もいかばかりかと思います。この3年間、本校の教育に温かいご理解とご支援をいただきまして、誠にありがとうございました。私たち教職員一同、お子様の健やかなる成長と今後のご活躍を心から願っております。 以上、卒業生の前途を祝し、式辞といたします。 平成29年3月17日 駒の学び舎 世田谷区立駒沢中学校 校長 桝田 和明 |
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