校長コラム NO.3
共視 〜研修から学んだこと〜 H29.5.20 校長
相手との距離を縮めて、さらに関係性を深めようとするなら、横並びに座ることを勧めたい。そして同じ風景を見て、同じようなことを感じ、同じ言葉を言い合えたら最高である。「きれいだね。」「本当、きれいだね。」とか、「おいしいね。」「うん、おいしいね。」…と言い合えれば、至福の時間となるだろう。この原体験は、赤ちゃんの頃からすでに繰り返してきている。赤ちゃんが何かに顔を向けたり、小さな声を上げたり、指を指したら、母親はその方向を向き、「○○だね。」と語りかける。また、その逆も…。これを繰り返すことにより、赤ちゃんは安心しながら言葉や感情を覚えていく。そんなとき、母親も赤ちゃんも対面ではなく、同じ方向に顔を向け、同じ物を見つめている。このように同じ物を見て同じ感情に浸ることを「共視」と言い、そこには否定が無く、人と人とが安心して心の距離を縮めることができる。 フォークソングの歌詞 ♪〜あの時 同じ花を見て 美しいと言った二人の 心と心は〜 あの素晴らしい愛をもう一度〜♪は、まさに「共視」を語っている。これは互いの主体性を大事にした共感であり、最も相手を大切にした行為である。ゆえに相互に心地よい対話が保たれる時間になるのだろう。児童面談の時、廊下を一緒に肩を並べて歩くとき、保護者の悩みを聞くとき、泣いている子どもの原因を聞くとき、クラス全員で同じ対象を見て応援したり感動したりする時等々、「共視」を意識していきたい。同じ人間同士、相手を大切にして、いい時間を共有していくこと…家庭でも、同じ本を読む、一緒に料理を作る、一緒に歌う、一緒に掃除をする等々、是非大切にしていってほしい。 |
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