『お知らせ・トピックス』のコーナーでは、「今日のできごと」や「おしらせ」、「校長室より」など更新された順に砧中の様子を紹介しております。それぞれの記事をご覧になる場合には、左欄のカテゴリのタグから項目をお選び下さい。

校長室の窓から〜『富岳の眺め』 No.56

好きな言葉は? と尋ねられると
私は決まってこの言葉を紹介してきた。

〜 Tomorrow is another day 〜
 " 明日は明日の風が吹く "

映画『風と共に去りぬ』(1939年)の中で
ヴィヴィアン・リー演じる主人公スカーレット・オハラの
ラストシーンでの名セリフ。

愛する人たち全てを失い
絶望の淵(ふち)へと追いやられたスカーレット。
それでも彼女はラストで顔を上げ、
この言葉を自らに言い聞かせて
再び立ち上がろうとする。

明日に不安を感じ、気持ちが沈んだ時、
私も自らに言い聞かせてきた。
" 明日は明日の風が吹く " と。


  🏡    🏡    🏡    🏡


映画の原作は1936年に刊行された小説
『Gone With the Wind』
著者はマーガレット・ミッチェル。

翻訳家の鴻巣友季子(こうのすゆきこ)さんが
この小説の魅力を紹介していた。
ヒロインのスカーレットは決して性格がいいとは言えない。
それでも読者は彼女に共感を覚える。
その秘密は小説の文体にあると言うのだ。

物語の中でスカーレットの表と裏の声が
絶妙に織り交ぜられている。
例えば妹の婚約者フランクとの会話。
商売に成功したことを自慢したいフランクに対し、
心の中で「うぬぼれ屋のおやじめ!」と毒づきながら
実際は笑顔でこう言った。

「まあ、ぜひうかがいたいわ!」

まさに本音と建前、
内なる声と表の顔の使い分け。
今では小説やドラマでは当たり前のこの表現、
1936年当時は斬新(ざんしん)な手法だった。

読者はスカーレットに反発しつつも
心のどこかで自分と重ね合わせ、
「わかるわかる、その気持ち」となっていく。


  🌄    🌄    🌄    🌄


さて、本題の Tomorrow is another day について。

日本では長らく小説の翻訳で
「明日は明日の風が吹く」と訳されてきた。
しかし、最近ではもっと直訳に近く
「明日は今日とは別の日だから」
と訳されているようだ。

翻訳家の鴻巣さんがある高校の授業に招かれた際に、
高校生に Tomorrow is another day を訳してもらった。

その時、一人の高校生が次のように訳したという。

 「とりあえず、寝よう」

なかなかの名訳である。

✳️ 左欄カテゴリ「コラム」に追加情報も掲載しています。
 合わせてお読みください。

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28    
行事予定
2/25
(月)
学年末考査(全)
2/26
(火)
学年末考査(全)
2/27
(水)
学年末考査(全)