人格の完成を目指してについての話「1月のテーマ:感謝」

                                平成22年1月18日
                    感謝

 今月の人格の完成のテーマは「感謝」です。感謝という言葉は皆さんはよく分かる言葉だと思います。
 皆さんの身近なところで考えてみたいと思います。
 まず、ここでは、先生は日頃から皆さんの互いの気持ちの通い合わせを大切にしていますが、人と人との関わりの中で「感謝」ということを考えてみたいと思います。

 皆さんが考える際に、Aさんを思いやるBさんという人の行為が、Aさんに伝わり、そのことで伝えられたAさんが「感謝」の行為を明らかな言葉に出したり出さなくても感じた心が態度に表れます。それを、見たBさんが、また、Aさんの態度に感謝します。
 そうした情景を頭に思い浮かべながら、これからのお話を聞いてください。

 先日の1月14日(木)の午後、「コンフィチュールを作ろう」という題でジャムづくりを中学2年B組の生徒が小学3年生に教えながら作るという学習がありました。見学に来られた方も小学校、中学校の先生方、それから世田谷区教育委員会の先生方と多くの方たちがいるところでの授業でした。
 2年生は先生の指導で、小学生のグループに中学生のグループがセットで行動しました。
 トマトやニンジン、セロリ、タマネギのジャムづくりでした。
 ジャムづくりの方法などの説明の後に作業に入りました。作業の中では、包丁を使ったりガスでお湯を沸かしたりという作業をしてジャムを完成させました。その後、ジャムづくりの感想を聞くという流れでした。

 包丁の作業の部分について中学生と小学生の関わりについてお話しします。
 タマネギなどの野菜は丸みがあったり変形したりしているため、包丁で切るという作業は危険ですが、小学生ができるように説明し、小学生がおぼつかないやり方でやっていても、辛抱強くそばで見守り助言をしていました。
 そばで見ていました教育委員さんも熱心にていねいに教えている生徒を見て「あの生徒さんは教えるのがとっても上手ですね」と言っていました。
 包丁を使用しますが、小学生が危険な状況に陥らないように手を添えるなどしていました。しかも中学生が自分でやってしまわないようにしていました。しかも、見ているだけの人がいないようにすべての小学生が体験できるように中学生は考えて行動していました。
 小学生が覚えられるように配慮して、小学生が自分で作ったという実感がもてるように配慮した行為だったといえます。

 次に、ジャムづくりを終えた後の感想についてお話しします。
 小学生は「中学生と一緒にやれて楽しかったです」「中学生が教えてくれたので分かりました安心でした」といったような答えが返ってきました。中学生は「小学生とやれて前回やったときよりも充実していました」「小学生とやったことで前回やったときよりもよいものが完成しました」といった感想を述べていました。
 また、小学校の先生のお話ですと「中学生はやさしいですね」とか「小学生に一人一個の瓶のジャムがわたるように中学生がしてくれましたが、小学生はとても大事そうにジャムの瓶を扱っていました」という話がありました。

 さあ、この話の中で、今日のテーマの「感謝」について皆さん一人一人に考えて欲しいと思います。
 実際に体験した2年B組の人はよく分かると思いますが、それ以外の人たちも今の話を聞いて、自分なりに思いを巡らせて考えて欲しいと思います。
 小学生に対する中学生の行為はどんな内容であったか。それを受けた小学生はどんな気持ちになったのだろうか。また、小学生の気持ちを中学生はどのように受け止めたのだろうか。そういった視点で考えて欲しいと思います。

 また、自分は、「感謝」という気持ちをどういった場面で感じるのだろうか。また、人に感謝されて感動した場面はどういったときだろうか、自分を振り返って欲しいと思います。

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