教室の照明・採光について

梅雨の時期は,天候が悪く教室が暗くなる日が多い反面,夏至が近く,晴れた日の校庭などは目がいたいほどのまぶしさになります。

人間の目は,明るい時には瞳孔を小さくして光が入りすぎないように,暗い時には瞳孔を大きくして十分な光が入るように調整しています。一方,光の通り道が細いほどピントの合う範囲が広くなるという傾向もあります。つまり,明るい所では瞳孔を小さくするので,光の通り道が細くなり,ピントの合う範囲が広くなります。その結果,ピント合わせを頻繁にし直す必要がないので,目の疲労感が軽減されるのです。暗いところで本を読むと近視になるというのは,十分な照明がないとこの逆のことが起こるので,目の疲労感が増大するからです。かといって,どこまでも明るければよいと言うのではありません。少なくとも直射日光下では明るすぎます。また,影が強く出て,明るいところと暗いところの差が大きくても目の疲労感は増大します。

 目の教室では,普通の教室よりも蛍光灯の数を増やすとともに,シェードをかけて間接照明にして光をやわらかくしています。さらに,明るさを無段階に変えることができる調光装置もついているので,明るいのが苦手な児童にも対応できています。

普通の教室ではこのような対応は難しいので,次のことに注意して明るさの環境を整えていただければ幸いです。

  1. 南向きの教室では晴れた日はカーテンを引く。それで暗くなるようなら教室の蛍光灯をつける。カーテンを引くと黒板のテカリもなくなるので,板書が見えやすくなる。
  2. 黒板灯がある場合,教室の天井灯だけでなく黒板灯もつける(テカるときは消す)。
  3. 校庭側の窓や太陽に向き合わないようにする(いわゆる逆光の写真状態にならないようにする)。

これでも,眼疾によっては明るすぎたり暗すぎたりすることがあります。その場合には,遮光眼鏡(サングラス)をかけたりデスクスタンドを使用するなど対処の仕方があります。  まぶしすぎる,暗すぎると感じる明るさは一人一人異なっていますが,弱視児の場合は,さらに,よく見える明るさの範囲が晴眼児より少し狭くなっていることが多いようです。「明るさ・暗さが原因で見えにくいのでは?」というときには,目の教室まで御相談ください。一人一人にあった適切な対処・配慮の方法を見つけたいと思います。

目の教室の照明

目の教室の照明

通常の教室とくらべて蛍光灯の数が多いだけでなく、間接照明にして光を柔らかくしています。また、調光装置もあります。この写真では、真ん中の3つが調光装置を使って少し暗くなっています。