ハナミズキ

ハナミズキハナミズキの花

都立園芸高校からいただいた「ハナミズキ」を中庭に植えました。ハナミズキの由来は、百年以上まえになります。 シドモアさんという女性が日本に住んでいました。アメリカの首都、ワシントンDCの出身で、ナショナル・ジオグラフィックという雑誌の記者でした。シドモアさんは、春になると街中をピンク色に染める桜の花が大好きでした。そして、アメリカでも美しい桜並木を見ることができたらどんなに素敵なことだろうと思いましたが、夢はなかなか叶いません。しかし、それから24年後の1909年、アメリカではウィリアム・タフトという人物が大統領になりました。その妻であるタフト夫人は、ホワイトハウスがあるワシントンDCの街をもっと美しくしたいと思っていました。それを知ったシドモアさんは、夫人に手紙を書き、桜のことを伝えました。すると、すぐにタフト夫人から返事が届き、「ワシントンDCに、桜の木を植えるというアイデアを聞かせてください。」とありました。(中略)6040本の桜が、ワシントンDCとニューヨークにおくられることになりました。1912年3月27日、タフト大統領夫人と、珍田日本大使夫人が、ワシントンDCのタイダル池のそばに最初の桜の木を植えました。そこにはシドモアさんの姿もありました。25年以上にわたる努力が実を結び、ついにアメリカで日本の桜の花が咲いたのです。やがて、桜の季節には、人々がお花見をするために集まり、ワシントンDCでは桜祭りが開かれるようになりました。 1915年、桜のお返しにとアメリカから日本にハナミズキが40本送られ、東京の日比谷公園や都立園芸高校に植えられました。 それから百年の月日が流れました。日本から贈られた桜は、ワシントンDCに春の訪れを知らせる、なくてはならないものとなりました。