みやぎ中央新聞編集長水谷もりひと著「日本一心を揺るがす新聞の社説」には心温まるたくさんのお話が載っています。その中でも私が選んだとっておきの社説を紹介します。
第1話「我々は大災害を乗り越えていける」
「壊滅の街眼前の悪夢」「事故の連鎖底なし」「放射線不安な住民」かつて見たこともない大きな見出しで、不安、絶望、恐怖、寒さ、無力感、悲嘆に明け暮れる絶望的な被災現場の様子を伝える新聞各紙。
そんなとき、ネット上に流れた1枚の写真に胸が熱くなった。自衛隊員抱える赤ちゃんの写真。地震から3日が経っていたのに生後4か月の赤ちゃんは瓦礫の下で鳴き声を上げて自分の居場所を知らせていたそうだ。
さらに、東京に住む友人のしもやんこと、下川浩二さんからメールが届いた。誰かが見かけた光景をメールかツイッターで発信したものをまとめたもの。どんな新聞・テレビの情報より元気をくれた。
「ディズニーランドでは、ショップのお菓子などが配布された。その時、ちょっと派手目な女子高生たちが必要以上にたくさんもらってて、一瞬「何だ!」と思った。けど、その女の子たちが避難所の子どもたちにお菓子を配っていたところを見て感動した。子ども連れは動けない状況だったから、本当にありがたいと思った。」
「1回の青信号で1台しか前に進めないなんてザラだったけど、誰もが譲り合い、穏やかに運転している。…10時間の間、お礼以外のクラクションの音を耳にしなかった。恐怖と同時に心温まる時間で、日本がますます好きになった」
「夜中、大学から徒歩で帰宅する道すがら、とっくに閉店したパン屋のおばちゃんが無料でパンを配給していた。こんな喧噪の中でも自分にできることを見付けて実践している人に感動し、心が温まった。東京も捨てたもんじゃない。」
「避難所で、4人家族なのに、「分け合って食べます」と3つしかおにぎりをもらわない人を見た。凍えるほど寒いのに、毛布を譲り合う人を見た。きちんと1列に並んで、順番を守って物資を受け取る姿に、日本人の誇りを見た。」
「停電すると直す人がいて、断水すると直す人がいて、原発で事故が起きると、それを直しに行く人がいる。勝手に復旧しているわけじゃない。俺らが室内で未だかな〜と言っている間、寒い中、死ぬ気で頑張っている人がいるんだ。」
「避難所で、おじいさんが「これからどうなるんだろう?」と漏らした時、隣にいた高校生の男の子が「大丈夫!大人になったら僕らが絶対に元に戻しますから。」って背中をさすりながら言ってた。大丈夫、未来はある!」
みんな気持ちは同じだ。我々はきっと大災害を超えていける。そして、この国はもっといい国になる。
これからも、時々紹介するので、読んでください。また、感想を学校のメールアドレスで送ってください。
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