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5月29日 6年生 その4

5/29(金)「人間と動物の境目は?」

私たちは人間です。
DNAを調べると、人間とチンンパンジーは、その違いが1%以下であるという研究もあるほど生物学的にはよく似ている生物で、チンパンジーは数を理解し、足し算などの計算ができるほど賢いのです。
では、人間と動物を比較する例として、ヒトとチンパンジーの違いについて考えてみます。

これは、京都大学霊長類研究所兼任教授理学博士の松沢哲郎博士が研究から発見した、1982年5月18日生まれ、京都大学霊長類研究所にて、人工授精で生まれた2番目のチンパンジー「レオ」の話です。

当時2歳のレオは、突然首から下が麻痺してしまいました。ボランティアスタッフのおかげでかろうじて命は支えられましたが、レオは全く動けず、ベッドに寝たきり、体の背面がひどい床ずれをおこし、腰や膝の皮膚が破れ、うみ、骨がむき出しになるほどだったそうです。57kgあった体重も35kgまでに減り、そんな彼の姿を見て、「もしこれが自分だったらとても我慢できないだろう。痛みの辛さに耐えられず、このまま生きていてもしょうがない、この先どうなってしまうんだ。」と誰もが思うと思います。

しかし首から上はいつもと全く変わらない様子。
元々いたずら好きだったレオは、人が来ると口に含んでいた水をピュッと吹きかけたり、相手がキャッと反応するとすごく嬉しそうに笑う表情を見せたりしたそうです。

それはなぜか。

答えは―
チンパンジーは、“今”、“この世界”を生きているから絶望などしない。
“今”が楽しいから笑う。“今”がいい。ただ、それだけ。
それに対して人間は、絶望してしまう。不安を感じてしまう。
その力は、「想像力」。

これが、松沢博士が発見したヒトとチンパンジーの違いだそうです。

チンパンジーはなんて前向きなんだ、と思った人もいるかもしれません。
でも、松沢博士は私たち人間にこんな言葉を贈っています。

絶望するのと同じ能力、その未来を『想像する力』があるから、人間は希望をもてる。
どんな過酷な状況の中でも『想像する力』を駆使して、希望をもてるのが、人間だと思う。
私たち人間はこの『想像する力』をつかって、目の前にいない遠い人を思ったり、心を同じように動かしたりすることもできる。
相手が喜びそうなことを考え、行動に移し支え合うことができる。

『想像するちから チンパンジーが教えてくれた人間の心』(岩波書店)松沢哲郎 より


学校再開を迎えるにあたり、瀬田小6年生の『想像する力』がたくさんの人の支えとなることを期待しています。


もっと詳しく知りたい人は、「チンパンジー・アイ」で検索をすると、京都大学霊長類研究所のサイトにアクセスすることができます。
そこに暮らしているメンバー(チンパンジー)紹介や、彼らの絵画作品なども載っています。
ほっと一息、癒されたい人もぜひ、調べてみてくださいね。

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