東京2020大会2 7月26日(月)![]() ![]() 「さよなら弱虫」 2年前の春。白血病の治療で抗がん剤を使い、髪は抜け落ち、嘔吐を繰り返した。病院の別途から動けず、点滴で栄養を取っていた。 「初めて、いみているっことがしんどいな、と。耐えられなくなった時に言ってしまった。母はすごく悲しんでいた」 やがて一時帰宅が許され、車で自宅に戻った。外では桜が咲いていた。 「外に出ること、桜を直接見られること、高速道路の渋滞すら嬉しい感覚になって。ご飯を食べに行って、すごく幸せだった。つらいことはいっぱいあるけど、楽しいことはいっぱいあるんだな、と」 「死にたい」と口にしたことを悔やんだ。 「どんなときも言っちゃいけない。絶対に言わないようにしよう」 10か月の入院生活をへて昨年3月にプールに戻り、5月から本格的な練習をはじめた。目標は2024年のパリ五輪だった。 闘病で体重は15キロ減り、長いブランクで技術も落ちていた。最初は思うように泳げない。 (省略) 復帰後、大会の度にタイムを伸ばした。負けると、倒れこむようにして悔しがった。今年4月の五輪代表選考会で3年ぶりに「4冠」を達成し、東京五輪の出場を決めた。 追い風ばかりではなかった。コロナ下での東京五輪の開催に世論が割れた。自身のSNSには「出場辞退」を求めるメッセージが届いた。つらさをこらえ、訴えた。「頑張っている選手を見守ってほしい」 そして、迎えた自身2度目の五輪。入場すると周りがキラキラして見えた。「この舞台で泳げて素直にうれしい。こういう環境の中で、世界の選手と戦えるのは幸せ」 女子400mリレー予選の第2泳者を務めた。順位は上げられなかった。チームは全体の9位。目標だった決勝進出と日本記録はならなかった。 「悔しさ8割、楽しさ2割。勝負の世界は楽しかったでは通用しない。ものすごく悔しい」。勝ちたい気持ちがまた強くなった。 7月25日(日)朝日新聞朝刊13面「五輪」より さまざまなオリンピック選手がいる中で、白血病を克服し出場が絶望的だった「東京五輪」に出場した池江選手。それだけでも素晴らしいことだと思う。池江選手の強く、早く、ただひたすらに前を目指し泳ぐ選手の姿にただただ感動するばかりです。 池江選手本当にお疲れさまでした。パリ五輪を期待しています。 |
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