美しい日本語週間「校長講話」2
校長講話より
9月5日から1週間、弦巻中学校では「美しい日本語週間」としています。 毎年、この機会にお話ししていますが、教科「日本語」は、世田谷区独自の教科です。 日本全国どこにもない特別の教科です。今年度から年間18時間なったので、1年を通して「教科日本語」を実施することはなくなりましたが、みなさんは毎日日本語を使い、日本語に触れています。 中学の教科「日本語」には、「哲学・表現・日本文化」があります。 3年間を通して、身に付けていきます。 その学習の一環として、弦巻中学校では、毎年、一人一人が学年テーマにそった「日本語」を選びます。 1年生は「自分の好きな日本語」2年生は「人に伝えたい日本語」3年生は「世界に広めたい日本語」です。毎年、選んだ日本にそったポスターを作成して、掲示されます。私は、弦巻中学校にきて、はじめて、この取り組みに接した時に、ほかの学校にはないこの取り組みをとても素敵だなと感動を覚えました。今年度から18時間になった日本語ですが、この取り組みだけは、弦中ならではの取組なので続けてほしいと残しました。 みなさんが今作っている日本語のポスターを見るのが楽しみです。 約400人の人が選ぶ日本語、同じ言葉を選んでも全部理由が違います。 そのみなさんの心に触れることが楽しみです。 私がみなさんと同じ年の頃、日本語について深く考えたことはありません。日本語が「美しい」と思う機会もありませんでした。でもあらためて日本語を深く考えることで、「日本語の良さ、表現の豊かさ、繊細な気持ちを表現する言葉など、日本語は、日本人そのものだと感じています。 小学校6年間・中学3年計9年間で美しい日本語にたくさん触れてほしい、日本語の良さかを感じてほしいです。 毎日使う言葉だからこそ、この美しい言葉を感じ、使ってほしいです。自分の一部です。 日本語は、時代によって「流行語」として新しく生まれ、なくなっていく言葉も多くあります。 今はやっている言葉はどんな言葉がありますか。(ちょっと古いかもしれませんが) 「それなー」とか「きまずー」とか、使った事ありますか。 「やばい、やば」とかは、私も時々口からでてしまいます。 私が学生のころ「きゃぴきゃぴ」という言葉がはやりました。若くて元気ではじけている女性を表す言葉として使われました。私も昔は言われたことがあります。(笑) 「しんどW」は、つらいとか苦しいとかで「しんどい」と使われていますが、今の使われ方は、ポジティブな意味で利用しているらしいです。 もともとあった日本語が変化して、その時代、時代にあった新しい言葉が生まれてくるのだと思います。その言葉には、一過性のものとそうでないものがあります。 みなさんの心に残る日本語は、きっとそんなずっとずっと残る言葉だと思います。 言葉は文化です。その言葉を使って毎日毎日過ごしています。自分の中に積み重ねられていきます。人間性を育てていきます。 最後になりますが、私は、最近心に残る言葉に出会いました。 その言葉を紹介します。 「まくとぅそーけー なんくるないさ」という言葉です。 意味わかりますか。 これかは、沖縄の方言です。「うちなー口」ともいわれている言葉です。 私がすきなうちなー口は「なんくるないさ」です。 これは「なんとかなるさ」「大丈夫」というような意味があります。 今年は、沖縄が本土復帰50年という話をしました。朝の連続ドラマで「ちむどんどん」のお話をしました。「ちむどんどん」も大好きなことばになりました。 このドラマの中で、主人公ののぶ子さんが良く言っている言葉です。 「まくとぅ」は「真」、「そーけー」は「する」です。 「まくとぅそーけー なんくるないさ」は、『正しいことをしていれば、何とかなる。大丈夫』という意味だそうです。 1年に1回美しい日本語を見つける時間。たくさんの美しい日本語に出会って、豊かな人生を送ってほしいと思います。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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