3年生、旅立ちの日です。朝、登校してきた3年生。 「先生。本当に嫌です。卒業するの。本当に駒沢中学校でのことが楽し過ぎて、みんなと離れるのがいやだよ〜。」と言っていました。 卒業式中、3年生の背中がとても大きく感じました。 以下が校長先生の式辞です。 令和二年度 卒業式式辞 世田谷区立駒沢中学校 正門前の桜が早くも開花して、春の訪れを感じるころとなりました。卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。 異例なことが続いたこの一年間を、卒業生の皆さんはよく乗り越えました。学校行事は満足に実施できず、日々の生活でも、心穏やかではない時もあったことでしょう。それでも皆さんは、一・二年生にとって、あこがれの対象になるような「最上級生の姿」を見せてくれました。後輩の一・二年生がその姿を受け継いで、更に高みを目指していくでしょう。本校の第七十四回目の卒業生として、立派に義務教育を修了できたことを共に喜びたいと思います。 今、皆さんは、夢と希望を持ち、自分の力で切り開いた新たな道へ進もうとしています。卒業は、終わりではなく、新たな出発の日です。そこで、皆さんの輝かしい門出にあたり、はなむけの言葉を贈りたいと思います。 一つ目は「失敗を恐れず挑戦すること」です。 人は誰でも、自分の努力が実を結んで、目標を達成したいと願います。しかし、そう願ってもなかなか思い通りにはならないものです。つまり、失敗するのは当たり前ということでもあります。大切なのは、失敗して、原因を振り返って、やり直すことです。多くの場合、失敗の繰り返しが成功を導くのだと思います。 失敗して、悲嘆にくれ、思い悩んでこそ、人は成長していけるのだと思います。自分を奮い立たせ、粘り強く挑戦し続けられる人になってください。 二つ目は「新たな出会いを大切にすること」です。 人との出会いだけではなく、様々なできごとにも出会います。そして、その出会いの多くは偶然おこります。 その偶然の出会いを人生のチャンスと考え、肯定的、積極的に捉えることで、最大限に活かすことができるという考え方があります。私たちの長い人生には、様々なことが起こります。偶然おこるどのような出会いも、自分にとってのチャンスと前向きに捉えて、自らチャンスを作り出し、チャンスによって自らを変えていってください。「他の人」と「過去」は変えられませんが、「自分」と「未来」は変えることができるのです。 人は一人で生きているのではなく、必ず、自分が出会った誰かのお世話になっています。また、時には自分も人のために何かをすることがあります。社会に出て大切なことは、人との関わりです。自分もいつかどこかで、誰かのお世話になるのだからという謙虚な気持ちをもち、自分を大切にするのと同じように、他の人も大切にしてください。 どのようなできごとに出会っても、そうなる原因を自分の中に見つけようとする人は必ず進歩します。うまくいかないことを人のせいにするのではなく、前向きに捉えて自分の人生を切り拓ける人になってください。そして、今、皆さんに伝えたことを実践して、信頼される立派な人に成長してくれることを心から期待しています。 最後になりましたが、保護者の皆様、本日はおめでとうございます。お子様の成長した姿をご覧になり、これまでの十五年間のことが思い出され、感慨もいかばかりかと思います。この三年間、本校の教育に温かいご理解とご支援をいただきまして、誠にありがとうございました。私たち教職員一同、お子様の健やかなる成長と今後のご活躍を心から願っております。 以上、卒業生の前途を祝し、式辞といたします。 令和3年3月19日 駒の学び舎 世田谷区立駒沢中学校 校長 桝田 和明 (山口) |
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