3月22日 図工室より(1)

 今週行った5年生の最後の図工は「使って楽しい焼き物を」の鑑賞の授業でした。鑑賞と言っても、自分たちがつくったマグカップを“使ってみる”授業です。そこで、各家庭にお願いして、普段子どもたちが家で使っているマグカップを持ってきてもらいました。自分の手で一からつくったマグカップと、家で使っているマグカップを使い比べることで、それぞれのよさを実感して欲しかったからです。スケッチを通して“かたち”の違いを確かめたのち、用意していた紅茶を入れて使い心地を比べてみました。以下は、子どもたちのスケッチに添えられた言葉です。

《子どもたちの言葉》
「いつも使っているカップがこんなに使いやすいとは思っていませんでした。」
「(自分が作ったのは)口に触れたとき厚みがあって飲みにくかった。」
「中がぼこぼこしているので、自分でつくったマグカップは粉をまぜにくかった。」
「自宅のは飲みやすい。けれどつくったのは味があってしみる!なのでつくったほうがいい!」
「心を込めてつくったマグカップはおいしく感じる。」
「いいところ悪いところがありますが、自分でつくったものなのでこれもぼくの宝物です。」
「ふだん使っているほうが使いやすいし見た目もいいけれど、自分でつくった方はやわらかい感じがして飲んでてほっこりした。」

 毎日使うものの中には、長い歴史の中でつくり、使い続けられるうちにたどりついた“かたち”があります。わざわざ意識しなくても、自然となじむ“かたち”。マグカップで言えば、ティータイムにちょうどよい容量、つかんだり、にぎったりできる自由度のある持ち手、飲み口の口触りなど…。一方で、人の手で一からつくられたものには、工業製品にはない作り手のぬくもりが宿ります。使えば使うほど親しみが湧くような、手づくりならではのよさというものがあります。

「マグカップをつくってみて、ものをつくる難しさやしっくりくるまでには時間がとてもかかっていることが分かりました。」

 子どもたちの感想を読んでいると、こちらが言いたかったことを実感としてつかんでくれているようでうれしくなります。図工の授業を通して“ものづくり”の本質に触れるような経験を少しでも多く積み重ねて、将来的には、ものとの上手な向き合い方、“ものづかい”や“ものづきあい”の考え方を身につけて、よき使い手、よき鑑賞者になってほしいなぁという思いがあります。まずは、この授業をきっかけに日々の暮らしの中で使う器に少しでも意識を向けてくれたらなと願っています。
 保護者の皆さま、マグカップ持参にご協力いただきありがとうございました。(図工専科)

追記
「使って楽しい焼き物を」の授業の詳細は「学校日記」12月13日、26日、1月23日の「図工室より」を参照ください。

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