6月4日 図工室より(1)
6年生「墨のうた」の授業。少し前になりますが、運動会の前の週、画仙紙に墨で描く授業の2回目を行いました。この日の導入で、子どもたちに「墨に五彩あり」という言葉を紹介しました。墨の表現は色でいえばモノクロームですが、描く人は墨の濃淡に色を思い浮かべ、作品を見る人は、墨の濃淡から自由に色を想像する、つまり、描く人、見る人の数だけ無限に色が存在するということのたとえを「墨に五彩あり」といいます。
なぜこの話をしたかというと、前回の授業の際、単にストレスを発散するかのごとく筆を振り回し、墨を撒き散らすだけの子どもが多く、このままでは墨の濃淡や余白を活かした表現のおもしろさに気づかないまま終わってしまうのではないかと思えたからです。ただ、身体全体を使ってのびのびと表現してほしいと思い設定したこの授業で、「墨に五彩あり」の説明はやや理屈っぽく、頭で考えた表現になってしまわないか心配でしたが、それは杞憂でした。 何枚も描き続けていくうちに、まるで大きな画仙紙の中に入り込み、墨と戯れるように没頭している子どもたちの姿があちこちで見られ、終わってみれば墨の濃淡や余白も彼らなりに消化した表現になっていました。(図工専科) |
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