平成22年度学校経営方針について

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世田谷区立祖師谷小学校長 平松 有理子

 穏やかな春の日差しに包まれて、平成22年度が始まりました。新一年生100名を迎え、全児童573名の素敵な笑顔が集いました。さて、この度、中島英二校長の後任として、本校に着任いたしました平松有理子です。保護者・地域の皆様には、温かく迎えていただき、大変感激いたしております。今までに築かれた地域に根差した教育や文化、伝統を継承し、さらに発展させていくことができますよう、微力ではありますが、尽力して参りたいと決意を新たにいたしております。今まで同様、本校の教育活動にご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


1 はじめに

 子どもは、元来学びを欲するものである。新たな知識にであったとき、海綿の如く吸収する力を持ち合わせている。楽しい体験に接した時、目を輝かせて取り組むものである。道具を工夫し遊びを構築するものである。互いの関わりを求めるものである。内にもつエネルギーを発散させるものである。美しいものに心ひかれるものである。未知なる力を秘めたものである。

 私たち大人は、子どもの力を引き出す手伝いをしているだけである。しかし、引き出させ方を誤ると子どもの力は半減するだけでなく、負のエネルギーとなって増幅する。子ども一人一人の人格形成に深く関わる学校教職員の大きな責任を常に考えていたい。

2 学校の教育目標 

○よく考え、進んで学習する子ども(学ぶ喜びあふれる学校)

  →学校は、学びの場である。学習で様々な個性や考え方の多様性を学び、
   味わい成長していくものである。

○明るく思いやりのある子ども(思いやりにあふれる学校)

  →学校は、集団の中で社会性を学ばせる場である。自己と向き合い、人として   の望ましい生き方を身に付けさせたい。

○進んで体をきたえる子ども(元気あふれる学校)

→学校は、子どもの明るい笑い声の絶えない場である。心身ともにたくましい   子どもをはぐくむ。

 知・徳・体のバランスのよい児童の育成を目指し、この三つの教育目標をまとめ 以下の目標を掲げる。

思いやりの心をもち意欲的に学ぶ児童の育成

子ども・保護者・地域・教職員が「祖師谷小でよかった」と誇りに思える学校、
自分と向き合うことのできる児童の育成を進める。



3 学校教育目標の具現化に向けた教育の重点
(1)数値目標の設定

 ・めあてをもって進んで学習する児童を80%以上にする。

 ・進んで読書に親しみ、読書が好きであるとする児童を80%以上にする。

  ・進んで決まりを守って行動し、安全に生活する児童を75%以上にする。

  ・各学期2週間の読書週間と美しい日本語週間を設定する。

 〈ぽぷら学級〉

 ・自ら意欲的に体を動かそうとする児童を8割以上にする。

  ・全教職員で共通理解に立った指導を行うため、特別支援校内委員会で月1回   以上、情報交換・取り組みについての話し合いをもつ。

(2)基礎基本の定着と学力の向上

  ・校内研究の推進を図る。
   「外国語によるコミュニケーション能力の育成」を構築。

 ・「ことばの力」の育成を計画的、系統的、日常的に進める。

 ・少人数指導やティームティーチングの充実 習熟別や課題別など、学習形態を   工夫し、個に応じた学習を進める。

(3)指導と評価の一体化

・新学習指導要領の完全実施に向けた移行期を教育課程届に基づき、各教科のねらいと評価基準を明確にしたうえで計画的、系統的に実施する。

(4)昨年の学校外部評価を受けた改善策を念頭に入れ、教育活動を進める。

  自ら進んで学習する子ども

  ・単元構成の工夫や導入の工夫に努め、子どもが意欲的に学習に取り組める魅    力ある授業を推進する。課題解決学習の充実。

  ・国語科では、昨年度までの研究奨励校としての成果を継承した学習活動を組    み立て全校で系統的に取り組む。

  ・既習事項の定着を図るため、「1日1時間の家庭学習や読書」を家庭に呼び    かけるとともに、家庭学習マニュアルや家庭学習達成カードを作成し、自ら    課題を見つけ取り組む子どもの育成を目指す。

  きまりを守って行動する子ども

  ・教職員の共通理解のもと判断基準を統一し、学年・学級の枠を超えた指導を    行い、規範意識を育てる。

・きまりの意味や意義を理解させ、進んできまりを守ろうとする態度を培う。

  安心・安全な学校づくり

  ・不審者や不慮の事故から子どもを守る取り組みを行う。

 ・安全指導やセーフティ教室等を通して、危機を予見し、回避しようとする力     の育成を図る。

   ・看護当番による監視の徹底を図る。皆で見守る体制をつくる。

(5)信頼される学校づくり

 ・常に一段高い階段を目標に置きステップアップを図る学年・学級・専科経営。

  ・学期末・年度末の子どもの姿をイメージする。(育てたい子ども像の具現化   に通ずる)

・短期・中期・長期目標の設定と振り返りを行う。

・保護者との連絡を密にとり、傾聴の姿勢を示すとともに子どもの実態や可能性  を的確に把握することを怠らない。

(6)開かれた学校づくり

  ・学校協議会・学校評議委員会、町会・自治会・商店会との連携を図る。

・学校便り、学年・学級便りやホームページ等で学校の情報を積極的に発信。

・年間3回の学校公開週間の実施、及びいつでも参観者を受け入れる体制をつく   る。

4 特色ある教育活動の推進
(1)読書活動の充実

 ・各学期2週間の読書習慣の設定 ・10分間朝読書の実施 

  ・保護者による100冊文庫の設置 ・読み聞かせ活動の推進

 ・年1回の大型絵本の会によるお話会の実施

(2)体験活動の充実

 ・年間春と秋の2回の植栽活動 ・年間2回の地域清掃活動

  ・兄弟学級交流や縦割り班による異学年交流活動

 ・感性や情操を高める教育の実施(開校記念コンサート、琴や和太鼓の体験)

 ・学校行事の充実(ねらいと目的を明確にする。学校行事から得るもの)

(3)特別支援教育の充実を図る

  ・「ぽぷら学級」の教育目標を以下のように設定する。

    ○よく考え、自分から進んで行動し、学ぶ子ども

    ○友達と仲良く生活し、協力し合える子ども

    ○元気よく生活し、体をきたえる子ども

 ・ぽぷら学級と通常学級との交流を図り、人権教育と心の教育を推進し、互いの  成長を期する。

・校内特別支援委員会を中心として全教員の共通理解のもと個別指導計画に基づ  いた指導を実施する。

・よりよい成長が遂げられるよう保護者・関係機関との連携を十分に図る。


5 その他
(1)伝統の継承と文化の構築

・開校70周年(平成24年度)を視野に入れた「学校愛・地域愛」を培う学習や  体験を学年の発達段階に即して、系統的・計画敵に組み入れる。

・地域行事に積極的に参加し、学校と地域との信頼と連携を深める。

(2)教育公務員としての服務の厳正

・信用失墜行為の防止 

 ・個人情報の保護と管理

・時間の厳守、服装・身だしなみ、言葉遣い、仕事に対する姿勢など。

(3)管理職への報告・連絡・相談の徹底

 ・事故は最少、最小とし、事故を事件としない配慮  

・信頼を失うのは早いが、回復させるには、その何倍もの時間と労力が必要とな  る。 早期発見、初期対応が大切。誠意をもち、対応するためにも報告・連絡・相談を。 

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