矢萩 正弘 委員長
先日、「ようがの学び舎」研究会が用賀小学校で行われました。今回のテーマは「表現・言語活動を重視した授業実践」ということで英語、理科、算数の授業が行われました。残念ながら私自身は出席できなかったのですが、参加者の方々から、大変質の高い授業内容だったとの感想をいただきました。また、用賀中学校・京西小学校の先生方も多数参加され、積極的な意見交換がなされたとのことです。こうしたことを一つ一つ積み重ねて「世田谷9年教育」を築いて参ります。また、小学校から中学校へのスムーズなバトンタッチの必要性から、9年間を見通した総合的なプログラムも視野に入れて参ります。
今回の運営委員会では学校関係者評価委員会の報告がありました。現在用賀小学校では、東京農業大学からの全面的なご協力をいただいて、食育の授業に積極的に取り組んでおります。そのことを広く皆様からご認知いただいていることや、ご家庭で話題に上がっていることなど、嬉しい報告がなされました。学校は教職員の方々に限らず、たくさんの方々からの力で運営されていることを改めて実感するとともに、そうした力に、運営委員一同深く感謝申し上げます。
1.学校の現況及び協議(校長)
■ようがの学び舎授業研究を2月17日(水)用賀小学校で実施しました。学び舎の共通テーマである「表現・言語活動を通して〜」を強く意識した授業研究を行いました。教科は英語活動(5年1組)、少人数算数(5年3、4組)、理科(6年2組)です。教員同士もミーティングを重ね、義務教育9年間を意識した授業を行ってみました。学校運営委員の方々には、授業後の協議会にも参加していただきありがとうございました。今回は特に用賀中学校から、鋭い意見をいただき、さらにやる気が湧いてきました。今後とも、京西小学校との小・小連携にも力を入れていくなど、より良い関係を築いていきたいと考えています。
■来年度は授業時数確保のため、土曜授業3回(今年度と同様に振替休日なし)及び、クラブ活動・委員会7時間目を考えています。保護者の方々にもきちんと趣旨を説明していきます。
■平成22年度は次の2つの研究指定を受けました。
○地域運営学校・世田谷9年教育パイロット校として指定の継続
○教育ビジョン推進研究として食育で研究指定。東京農業大学との食育連携を冊子化していきます。
■世田谷区教育委員会から、来年度の教育課程は、今年度の学校関係者評価の結果を踏まえた重点目標をあげなさいという方針が示されました。そこで本校では、次の3つを重点目標として掲げました。
(1)人の心を感じ、共に生きるコミュニケーション力と社会的マナーを育成する。
(2)自らの意志を言葉で表し、基礎学力を身につけると共に進んで学習に取り組む態度を育成する。
(3)世田谷9年教育パイロット校としての「ようがの学び舎」教育を充実推進する。
あいさつこそ人と人とのかかわりの第一であるので、あいさつのさらなる充実を図っていきます。また、子どもたちはとてもよく掃除をしていますが、さらに清掃活動を通して心も磨いていきたいと思っています。ようがの学び舎では学びのスタンダードづくりをしていきます。スピーチコンテストもはじめていきたいと考えています。
■来年度の行事予定はほぼ確定しています。生活時程については教職員の意見を聞きながら検討しています。
矢萩:学びのスタンダードとは英語とかですか。
校長:学習のスタンダードとしては、学ぶ姿勢、ノートの取り方などです。生活のスタンダードとしては、掃除の仕方、給食の方法などを京西小ともすり合わせをして中学校に送り出したいと考えています。
柳田:学び舎授業研究の感想ですが、英語活動は見事に子どもたちが楽しく学習していました。内容、質も高い。理科も中学校の先生が驚いていました。この授業も質が高いと感じました。9年教育の理念に向けて努力していただきたいと思っています。保護者や地域の方には、9年間で育てるんだということを理解していただきたい。
さらに、9年教育の小学校の後半と中学校の前半の教育を重要視しなくてはいけないということが分かってきました。そのバトンタッチを上手くすること、これが課題であると思いました。この学び舎の考え方はとてもよい。
校長:世田谷区は、カリキュラムづくりの上では、小1.2.3、5.6.中1、2.3年の3・4・2のまとまり等も考えています。しかし、考え方として、小学校の卒業は大きな節目であり、リセットチャンスでもあるので、壁を意識して意図的に接続プログラムを組んでいくことが今後の課題であると考えています。
柳田:授業を見ていて、先生が子どもの言いたいことをすぐ理解して感じ取っている。ただ、もっと子どもたちに、第三者が聞いていても分かるような発言の仕方(言葉の使い方や声の大きさ)を学ばせて欲しいと思いました。
「見る、触れる、調べる、考える、行動する」この五つの力が必要であり育てて欲しいと考えています。
校長:それがまさにスタンダードづくりだと思っています。発表するときに、原稿を読まないで話せる子どもに育てたいと考えています。今日いただいたご意見は評価の改善方法に反映させていただきます。
2.新年度各学年の学級編成について(副校長)
新2年生と新5年生については各家庭に転出予定調査をお願いしました。その結果、新2年生4学級(124名)については維持できると思っていますが、新5年生5学級(164名)についてはとても微妙な状況であり、もう一度、転出調査をお願いしようと考えています。また、新1年生に関しては、学区域内93名、プラス指定校変更等が39名で合計132名程度の見込みですので4学級で準備を進めています。
3.学校関係者評価について(廣石)
今年度の学校関係者評価委員会の評価結果がまとまりましたので報告いたします。運営委員の方々には、提言に対しての改善方法をいただきたいと思っています。
(報告書の説明あり)
柳田:独自項目の質問で「学校はあいさつができる習慣が身に付くような支援をしている」とあるが、支援ではなく指導して欲しいと思います。
校長:学校は主体的に責任をもって指導していく必要があると考えています。
古庄:大学でもビジネスマナーなど礼儀作法を教えています。あいさつはきちんと指導しなくてはいけない。
おはコミ等を通してきちんとあいさつする習慣ができて良かったいう子どもが増えるのではと思います。
柳田:最低限の礼儀作法は学校で指導すべきであると考えています。
校長:用賀小学校を卒業したら、あいさつは身に付いていたというように習慣づけたいと思います。
柳田:授業の中で、子どもが良い発言をしたり、礼儀正しくしていたら「いいね」と誉める教師がいるが、このように自然と礼儀が学べる雰囲気が大切だと思います。
校長:教師も含めて、良いことか悪いことかをしっかり身に付けさせていきます。
矢萩:教師というのはみんなが崇高と感じてみているから大変であろうと思います。
島崎:教師にはマナー研修の必要性を感じます。
校長:研修会を開きます。
古庄:大学でも電話の近くには「電話応対マニュアル」を置いています。
校長:さらに、意識を高めていきます。
柳田:家庭教育学級でもマナー講座を開いたらどうですか。
校長:この町の方々とともに、ようがのマナーをつくりあげられたらと思います。
大栗:話は変わりますが、親の立場として、子どもたちは行事を楽しみにしています。大変だと思いますが、行事の質が落ちないようにがんばっていただきたい
校長:用賀小では8割は授業で知的財産を、2割は生活・行事で心の財産を育てたいと考え実践しています。教師にかかる負担はと思いますが、がんばって日本の良さを伝承していきたいのです。
和田善之:「3校がようがの学び舎として小中が連携した教育に取り組んでいる」という調査項目の認知度は98、3%と高いが、さらに啓発していく方法を考えていますか。
校長:来年度は、『ようがの学び舎だより』を3校で発刊して、リアルタイムで保護者に周知していきたいと考えています。事務局は研究推進委員会が発刊していくとよいと思っています。