話す言葉と聞く言葉夏休み中も教育相談や自学タイム、部活動など引き続き教育活動が行われます。いつでも学校までご相談ください。2学期も笑顔での再会を楽しみにしております。 終業式の校長メッセージから(抜粋) 私が小学6年生の時、クラスメートのA君と大喧嘩になった。感情的になった二人はお互いを罵(ののし)り合い、相手の人格を傷つける言葉を投げつけた。仲裁に入った担任の先生が私たちを別室へと連れて行き、二人を座らせると、おもむろにテープレコーダーを取り出した。 「さっきA君に言った事をもう一度言ってみなさい」 先生は私にマイクを向けて、先ほどA君に投げつけた言葉を私に再現させた。A君にも同じように促した。二人の言葉を録音し終えると、担任は私たちにこう言った。 「自分が放った言葉を、自分に向けた言葉として聞きなさい」 私はA君に向けた言葉を、自分に向けて聞くことになった。テープから流れる自分の言葉が、自分ではないように思えるほど、私の言葉は激しいもので、恥ずかしくなるほどだった。A君も同じ思いのようだった。私はその言葉の酷(ひど)さに耐えられなくなり、途中で再生を止めて欲しいと先生にお願いした。 教員の道を選んだ私は今も、当時の担任の指導を忘れたことがない。話す言葉と聞く言葉、同じ言葉でも全く違うことを教えてくれた。話した言葉は宙へと消えていく。しかし聞く言葉は自分の胸に刺さったままなのだ。 |
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