『富岳の眺め』No.62 余録
『ライ麦畑でつかまえて』
この小説の文体は主人公ホールデンが療養中の病院で 一年前の出来事を回想するという形で書かれている。 そのため回想を語るホールデン自身は17歳である。 小説の作者J.D.サリンジャー。 彼はこの小説発表後、世間から身を隠す。 電気も水道もないニューハンプシャー州の一軒家で ほとんど人とも接点を持たずに生涯を過ごした。 今年はサリンジャー生誕100年にあたる。 そのためサリンジャーに関する映画が公開中である。 サリンジャーの小説を舞台化しようと 一人の高校生が彼を探して旅をする物語 『ライ麦畑で出会ったら』。 そしてサリンジャーの小説執筆の背景を描いた 『ライ麦畑の反逆児〜ひとりぼっちのサリンジャー』。 2010年サリンジャーは人知れずこの世を去る。享年91歳。 ホールデンと同じように 社会に対して背を向け続けた人生であった。 |
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