学校日記

日日是授業改善 効率化について1

公開日
2014/10/02
更新日
2014/10/02

コラム

研究発表会のシンポジウムにて、
「効率化でいいんですか?」という、ご質問、ご意見がありました。
このことについて、お答えいたします。
学校教育における「効率化」と、体育科授業における「効率化」にわけて
述べさせていただきます。

学校教育においては、効率化なしには語ることができません。
勿論、効率化できるもの、効率化できないもの、
効率化を図るべきもの、効率化をねらってはいけないもの、
があります。
これは、研究紀要リーフレットでも書いております。

「日本の教育制度は奈良時代からあった」
と、國學院大學名誉教授等を歴任された日本考古学の第一人者でいらっしゃる
樋口清之先生は、その著書の中でおっしゃっています。
同じ著書の中で、藩校や寺子屋について書かれており、
そこにはマスプロ教育による人材育成がなされ、
これら学校制度は今に引き継がれているとしています。

つまり、効率化によるマスプロ教育です。
これは、企業の(工場の)大量生産と発想は同じです。

物を作っているのではない、人を育てているのだ。

そうおっしゃられても、
教室には黒板があり、一人の先生が黒板に漢字を書き、
それを35人の児童が同時に見て、同じように学ぶ・・。
これは、論理的には大量生産であり、教育の効率化です。

そうしておいて、さらに個に応じた対応が始まるのでしょう。
個人差を加味しながら、一人ひとりにあった対処を施すのです。

最初から、35人一人一人に、順番に漢字を教えていたら、
一人1分としても、1時間の授業で、一つの漢字しか教えられないということです。

かくして、黒板という教具は、効率化にとって非常に重要なものとなり、
今でも使われているのです。

効率化できるもの、効率化の必要かあるものは積極的に行う、
学校教育にとって大切なことと考えています。

次回は、体育科授業における「効率化」についてお話します。

 (校長 石谷清隆)