平成27年度道徳授業地区公開講座
1時間目の1年生の道徳は、「ネット将棋」を読んで、「相手が誰だか分からなければ、ゲームの途中でも止めていいのか」という課題について話し合いました。班で活発に意見交換をしました。「自分勝手に通信ゲームを終わらせてはいけない」と分かってはいるけれど、そういう人間の心に向き合っていましたね。大事なことです。
2年生は、「路上に散った正義感」を読んで、自分の課題について考えました。まず、個人でよく考え、班でいろいろな考え方を知って、自分ならどうするか、考えていました。「みんながルールを守れば、勇気を出して注意するようなこともなくなり、正義感はいらなくなるのではないか」などの意見も出ていたようです。生徒同士で話し合い、考えを深めた後で、先生方が「勇気を出すことの大切さ」「よりよい社会のために」というお話をされていたのが印象的でした。2年生は全クラスでICTを使っています。
3年生は「おはようございます」の資料から、あいさつとお辞儀の差を感じる体験や、あらためてあいさつの大切さを考える授業でした。「あいさつは社会生活の潤滑油」と松下幸之助さん(現パナソニック創業者)はおっしゃっていますね。 3年生は学校内外でいつも会うたびに、夏休みの面接練習でも、ていねいにあいさつができる、いい学年になったなと感心しています。あいさつの習慣、一生ものです。 1年生から3年生まで、どのクラスもとてもよい授業でした。道徳の時間を毎回大事にし、研究をしてきている駒沢中学校ならではの、生徒主体の質の高い授業でした。
道徳の授業に引き続き、各学級での懇談会では、道徳の授業についての意見交換をおこないました。 最後に、公開講座を視聴覚室で行いました。加藤敏久校長先生に講師をお願いしました。道徳の授業からテレビドラマまで話題豊富な楽しいお話しでした。
▲道徳地区公開講座指導案、講師資料平成26年度道徳授業地区公開講座
1年生 資料名「夜のくだもの屋」 〜人の心の温かさにふれ、他の人々に対し思いやりの心をもつ〜
▼1年生指導案 ▼1年生ワークシート ▼1年生保護者資料〔資料の内容〕少女は合唱部のコンクールに向けた練習で帰りが遅く、真っ暗な道を帰る日が続いてしまう。心細さを紛らわすために歌いながら歩く少女は、ある日からくだもの屋のあかりに守られて帰宅するようになりました。 後日、少女はくだもの屋が自分のために営業時間を延長してくれていたことを知ります。そのときの少女の感謝の心とくだもの屋の思いやりの心を結び付けて、あたたかい人間愛を感じとらせていきます。
〔授業のねらい〕人にやさしく親切にした経験や、親切にされた経験を振り返り、くだもの屋のおばさんが主人公の少女に対して行った思いやりのある行動を見つけ、本当の“思いやり”のある行動とは気持ちについて考えていきます。授業の終わりでは、東京都道徳教育教材集「心みつめて」の「思いやり」ってなんだろう?を読み、今後、誰に対してもやさしく接するために大切にしたいことをそれぞれ考えていきます。
2年生 資料名「ネパールのビール」 〜人間には弱さや醜さを克服する強さや気高さがあることを信じて、人間として生きることに喜びを見いだすように努める〜
▼2年生指導案 ▼2年生ワークシート ▼2年生保護者資料〔資料の内容〕ネパールの小さな村に滞在した筆者が、ビールを買ってくると志願する少年に大金を渡してしまいます。 大金をもった少年は一向に戻ってこず、筆者は事故ではないかと心配する半面、「逃げたにちがいない」という村人の言葉に心が揺れてしまいます。 「逃げた」という周囲の言葉に惑わされ、少年を信じきれない筆者の弱さと、約束を果たそうと命がけで戻ってくる少年の二人を対比的に捉えながら、人間がもつ弱さ醜さと強さ気高さについて話し合い、それを自分とのかかわりでとらえさせて、自己の将来の生き方や課題について考えを深めていきます。
〔授業のねらい〕ネパールについて写真などを見せながら、日本との環境の違いや生活の様子の違いを把握させます。筆者の心情を中心に資料について考え、少年を最後まで信じきれなかった筆者の心の弱さと、少年の約束を守ろうとする誇りある生き方について考えを深めていきます。授業の終わりでは、文部科学省教材「私たちの道徳」の「人間の強さや気高さを信じ生きる」を読んで、自分の将来のために人間として生きる喜びはどんなことかを考えます。
3年生 資料名「ウサギ」 〜自主的に考え、誠実に実行してその結果に責任をもつ〜
▼3年生指導案 ▼3年生ワークシート ▼3年生保護者資料〔資料の内容〕主人公の小学校に、転校生がやってきます。学力も高く運動神経もよい転校生に対して、主人公は嫉妬心がうまれ、いたずらをしてしまします。しかし、いたずらを実行した直後から主人公は色々なことを考え、後悔の念にかられてしまいます。最終的にいたずらは公にならず、主人公の浅はかな判断や行動から、正しい判断と行動について考えていきます。
〔授業のねらい〕文部科学省教材「私たちの道徳」を授業の始まりと終わりで使い、自律することとはどういうことか、正しい判断や行動をするためには、何を大切にしなければならないか、ということに注目しながら授業を進めていきます。主人公の視点から、自分の行動が及ぼす結果について、よく考えて判断や行動することの大切さや責任感を育て、将来の生き方につなげていきます。