学校日記

6/20(月)全校朝礼

公開日
2016/06/20
更新日
2016/06/20

今日のできごと

 本日全校朝礼がありました。7月から体育館3階の改修工事が始まるので、次回こうして全校生徒が体育館で集まるのは、しばらく先になります。
朝礼では、校長先生のお話がありましが、生徒は静かに話を聞いていました。


 「本当の優しさ」について
                       校長 池田 富太郎

 みなさんに2つ質問があります。みなさんは、電車やバスに乗るとき、危険だなとか怖いなと思うことがありますか?電車やバスに乗ると「優先席」がありますが、「優先席」とはどういう席でしょうか?

 さて、このマークは「優先席」に貼ってありました。「マタニティーマーク」と言われるものです。見たことがありますか?「おなかに赤ちゃんがいます」と書いてあります。

 最近、妊娠している女性がこのマタニティーマークをつけることができないというのです。何が理由でしょうか。
電車やバスの優先席は、立っているのがつらい人が座るための優先席です。もちろん、妊娠している人は優先されます。
 ある方は、次のような経験をしています。妊娠中、マタニティーマークを付けて、優先席の近くに立っていたら、座っている元気そうな男性から「絶対譲らないからな、何様のつもりだ!」とブツブツ言われ続けた、というのです。『妊娠で申し訳ない気持ち』と、『妊婦だとわかると嫌がらせを受けるのではないか』という怖さがあったそうです。それ以来、その方は、マークを外し、優先席のそばには立たなくなりました。優先席だと譲らなければならないと思う人が多いけれど、普通席なら譲らなくてもいいと思ってもらえるので、その方が気が楽でした。マークを外しても、お腹が大きくなって妊娠していることがわかるようになると、普通の席の前にも立たず、ドアの横に立って小さく目立たないようにしていましたということでした。
 みなさんはどう感じたでしょうか、
 私は電車通勤をしています。ここ数年、電車の雰囲気が変わったと感じています。それは、先を争って乗客が乗ろうとするのです。時には、人を押しのけてでも座ろうとするのです。疲れているのかなと見ているとスマートフォンを取り出して、熱中しています。優先席でも。悲しい世の中ですね。マタニティーマークを付けることで優先されるはずの妊娠している女性が、小さくなり遠慮している。人を押しのけるくらい元気な人間が、座席を占領し、スマートフォンを操作している。
 私は、みなさんに「中学生らしく、瑞々しい心を持つ人」になってほしいと願っています。それは正しいことを正しいと判断し、美しいことを美しいと感じ、素晴らしいことを素晴らしいと実行できる、そうした人間になってほしいということです。
 マタニティーマーク、そして「本当の優しさ」について、考えてみてください。