SDGsについて 〜校長からの提案〜
- 公開日
- 2020/07/10
- 更新日
- 2020/07/10
学校のようす
ここ数日の九州、岐阜、長野などでの7月豪雨では、各地に甚大な被害が出ました。尊い命を失った方のご冥福をお祈りいたします。被害に遭われた方々には、1日でも早く安堵が訪れることを願っております。
東京でも昨年、台風によって多摩川などが決壊し、甚大な被害が出ました。残念なことに、今までなら数十年に一度起きるかどうかの大きな災害が、頻繁に起きてしまっています。素人考えですが、これは地球温暖化、エネルギー問題、環境破壊など、私達人間が引き起こしている部分がとても大きいと考えざるを得ません。
また、数年前から、私達の身近な環境に漂っている「マイクロプラスチック」が問題になっています。マイクロプラスチックとは例えば0.1mの大きさの微小なプラスチックの粒子のことで、私達が使っているプラスチック製品が粉々になったものです。とくに海への流出は生態系に大きく影響を与え深刻な問題になっています。
以前、話題になったのが、海底6000mの深海で撮った写真にプラスチックのマネキンが写っていたという話。海洋研究開発機構(JAMSTEC)が撮影して公開した“海底ごみ”のショッキングな映像です。
このような状況を踏まえて、レジ袋の有料化がスタートしました。これはあくまで、環境問題、地球温暖化などの課題を解決するための1つのきっかけです。
私たちは何ができるかを考え、1人1人ができることから実践することが大切です。例えば、エネルギーや食料について日常生活を見直し、ロスをなくすだけでも1年、2年と続ければ違ってきます。
ここで知っていてほしい言葉を二つ紹介します。SDGsとESD。
SDGsとはSustainable Development Goalsの略で「持続可能な開発目標」と訳されています。国連サミットで採択された2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17の目標と169のターゲットが掲げられ、国内でも官民ともに実践がはじまっています。貧困、差別、生態系、平和などについての課題解決の目標が設定されています。
例えば、13番目の目標は、「気候変動に具体的な対策を」で、5つあるターゲットの1つには「気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。」というものがあります。
もう1つ知っていてほしい言葉はESD。SDGsという言葉が広がる前から実践されている取組です。ESDとはEducation for Sustainable Developmentの訳で、持続可能な開発のための教育という意味です。
現在、世界が抱える環境、貧困、人権、平和などの問題を、自分のこととして身近なことから取り組んでいける、持続可能な社会の担い手を育てる教育のことです。
ですので、学校は、SDGsを実現するためにESDを行っていく役割を担って(になって)いる、ということになるわけです。
ところで、私が小学生のときに読んで感動した本に「十五少年漂流記」や「海底二万マイル」があります。作者はジュール・ヴェルヌというフランスの作家です。
彼が遺した言葉に「人が想像できることは、必ず人が実現できる」というものがあり、とても勇気をくれる言葉だと思います。CМでも印象的に使われていますね。
この言葉を、今の山積する国際的な課題解決に当てはめるのは少し楽観的かもしれません。しかし、理想や目標の実現のためには、ゴールを信じて、実現のためにとにかく何か実践しなければなりません。
いま、本校の学校図書館ではSDGsを特集して展示をしています。試験が終わったらぜひ、のぞいて、SDGsの実現に役立ててください。