用賀中学校では現在、「今未来手帳」を活用した生活管理・振り返りの取り組みを進めています。これは生徒一人ひとりが自分の行動や考えを見つめ、自らを成長させていくことを目的とした新しい試みです。



　「今未来手帳」は、予定ややることを管理するだけでなく、日々の生活の中で感じたこと、学んだことを自分の言葉で記録し、次にどう活かすかを考えるための「自分マネジメントツール」です。



　私たちは、日々の学校生活や部活動の中で「振り返り」がいかに大切であるかを繰り返し生徒たちに伝えています。その日何ができたのか、できなかったのか。どうしてそうなったのか。そして、次はどうしていきたいのか。こうした振り返りが、学習面だけでなく、心の成長や人間関係を築く力にもつながっていきます。



　この「今未来手帳」の活用を通して、本校では書くことで自己管理能力の育成を図っています。これは、自分の一日を記録し、自分の状態を客観的に把握しようとするプロセスそのものが、自己調整力や主体性を高めていくトレーニングになるからです。



　動画を活用しながら学んでいる生徒たちは、少しずつ手帳を書くことに慣れ、自分の思考や感情を整理する習慣を身につけ始めています。保護者の皆様におかれましても、ぜひこの取り組みに関心を持っていただき、お時間のあるときに説明動画をご覧ください。生徒がどのように手帳を活用しているのかをご理解いただけると思います。



　「毎日たくさん書く必要はありません。」「完璧じゃなくていいんです。」――私たちが伝えているのは、1日1行でも良いから「書き続ける」ことの大切さです。



　教室では、自分なりの工夫をこらして書き続けている生徒が増えています。色ペンを使ってカラフルに仕上げる生徒、イラストを添えて楽しみながら書いている生徒、何より「昨日よりも今日、今日よりも明日」と前向きな気持ちを育んでいる生徒の姿を見るたびに、この取り組みの意義を強く感じています。



　保護者の皆様にも、お子様がどんなふうにこの手帳と向き合っているか、時には一緒にページを開き、話題にしていただけると嬉しく思います。家庭での会話がより豊かになり、生徒の自己肯定感の向上にもつながることでしょう。

説明動画：Vimeo今未来手帳　ジュニア版の使い方(中学生向け)https://vimeo.com/812629724/502f11f8cc



　今未来手帳は、「自分を見つめ、自分を育てる」ための小さな道具ですが、その効果はとても大きなものです。自分の人生を、自分の手でしっかりと舵取りしていくために、ぜひこの習慣を続けていってほしいと思います。

　これからも学校として、丁寧に指導・支援を続けてまいりますので、ご家庭でも温かい見守りをよろしくお願いいたします。



世田谷区立用賀中学校　校長　毛利　慎治