3月の給食便りから
3月のお節句に菱の実の粉や草の葉で作った餅を食べる習慣は、古代中国から伝わったそうです。ひし形になった理由は諸説ありますが、共通しているのはどれも災厄を除いて、子どもの健康を願う気持ちが込められていることです。
菱餅がひし形になったばかりの江戸時代初期では、菱餅は2色だけでした。明治時代になって、クチナシの実を混ぜた赤色の層が加えられ、3色になりました。現在では健康とのつながりも考えられています。 赤(クチナシ)−魔除け(クチナシの「解毒作用」) 白(菱の実) −子孫繁栄と長寿(菱の「血圧低下」) 緑(蓬) −厄除け(蓬の「増血作用」) 飾るときの順番に応じて、表す情景に違いがあるそうです。 下から「緑・白・赤」の菱餅は、雪の下に新芽が芽吹き、梅の花が咲いている情景、 下から「白・緑・赤」のときは、雪の中から新芽が吹き出、桃の花が咲いている情景を表すそうです。 餅の形や色、並び方までも心を配って、季節の暮らしを豊かにする先人の知恵には驚くばかりです。 3月3日の給食では、子どもたちの健康と成長を願って、ちらしずしと菱餅と同じ三色の白玉の入ったフルーツ白玉のメニューにしました。また、3月23日の今年度最後の給食では、6年生の卒業をお祝いしてお赤飯の献立です。 給食便りから学校給食でお箸を使うようになったのは、給食にご飯が出るようになってからです。学校給食制度上に米飯が正式に導入されたのは、昭和51年(1976年)です。世田谷区の学校給食でも、この時期にご飯が出るようになりました。現在では、お皿も磁器食器になり、給食を安全面だけでなく、健康的にも文化的にも豊かなものにする努力が続けられています。 学校給食を通して、日本の食文化に親しんでいただきたいと思います。ご家庭でも話題にしていただけたら幸いです。 2学期のスペシャルメニューチョコレートが入ったチョコチップパン。朝早くからニンニク、スパイスの入ったたれに漬けこんで、小麦粉を使わず、米粉と片栗粉で軽く揚げた特製フライドチキン。肉が固くならないように、少しずつ揚げる、揚げ方にもこだわりました。そして、青菜のソテー・コーンチャウダーは、クリスマスカラーの食材を入れて見た目も楽しく、玉ねぎをよ〜く炒めておいしく仕上げました。ソテーは炒めすぎず野菜のシャキシャキ感が残るように炒めています。チャウダーは牛乳を使うのが一般的ですが、豆乳に変えて多くの子どもが味わえるようにしています。 2学期ありがとうございました。これからも子どもたちが安心して、おいしく楽しく食べられるよう工夫してまいります。よろしくお願いします。 大蔵大根 |