『富岳の眺め』 No.156【"第九"を聴く】左欄「最新の更新」をご覧ください。過去の記事を読まれる場合は、左欄「カテゴリ」から「校長室より」を開いてください。 新たな一歩のために 〜鼠壁を忘れず〜 【3】この言葉には矛盾があります。この指示通りに子どもが勉強したとすると、人からの指示を受けて勉強したことになり、「自分から進んで」とは言えません。逆に子どもが自らの判断で勉強しなかったとしたら、「勉強しなさい」という指示に従わなかったことになります。つまり勉強してもしなくても、指示には反するわけです。この言葉を聞いた生徒はどうすればいいのか悩んでしまいます。この状態を心理学ではダブルバインド(二重拘束)と呼びます。 生徒への声かけの難しさを実感した一年でした。コロナ禍にあって様々な学びの機会を失った生徒たち。その生徒たちに安易に「頑張れ」とか「大丈夫だ」とは言えませんでした。大人でさえ経験したことない事態に直面し、これまでの経験則が全く通じない中で、自分の言葉の軽さに気づかされました。上記の言葉もそうですが、自分が発している言葉は、本当に生徒たちの心に届いているのか、自問自答する毎日でした。 「早くしなさい」「何度言ったらわかるんだ」「やる気がないのならやめてしまえ」大人が無意識に使う言葉は、以前にも増して子どもの心を傷つけています。これらの言葉は大人同士の会話でも受け入れがたい言葉です。こういった言葉を浴びせられ続けた子どもは(いや、大人でさえも)、「どうせ自分なんか」と自暴自棄な思いになりがちです。やる気を出させようとして、結果的には意欲を減退させる言葉なのです。 私が中学生の時、遅刻ぎりぎりで校門に駆け込んだ時、登校指導をしていた先生が私に怒鳴りました。「何時だと思ってるんだ!急げ、走るんだ!」その後、私はその先生に苦手意識を持ちました。顔を合わせるたびに、また怒鳴られるのではないかとビクビクしていました。 しかし、自分が教師になった時、登校指導で同じように大声を上げている自分がいました。ある日、私に怒鳴られて走り出した生徒の一人が呟いたのです。「朝からそんな言い方されるの嫌だ」と。子どもの頃に嫌だった言葉をいつしか自分が使うようになっていたのです。 先行きが不透明な時代。私を含めて今の大人たちが、明確な未来図を描けなくなっている現在。それでも未来を切り開いていくのは今の子どもたちです。今、私たちにできる最低限のことは、子どもたちが未来に向けて、新たな一歩を踏み出すための動機づけとなる言葉かけだと考えています。未来を切り開くために、その阻害となる言葉ではなく、促進する言葉です。 砧中学校では1月以降も様々な行事を実施するかどうか、協議を繰り返し、生徒たちとも対話していきます。その過程で生徒たちが自分から進んで行動を起こすことができるよう、教職員一同、生徒たちを支援していきたいと考えています。 保護者・地域の皆様、2020年も本校にご支援・ご助言賜りましたこと、心より御礼申し上げます。 校長 建部 豊 新たな一歩のために 〜鼠壁を忘れず〜 【2】ある学級活動の場面。学級を良くするために生徒たちから提案が出されます。一人の生徒が真剣に提案理由を説明していた時です。何人かの生徒からいわゆる「ツッコミ」が入りました。その「ツッコミ」に対して、さらに何人かの生徒がどっと笑ったのです。もちろん発言していた生徒は笑いません。その生徒は寂しそうに発言を終えました。 テレビや動画の世界にあった「ツッコミ」や「いじり」が、学校生活の場で日常化してから随分経ちました。その問題点が指摘されながらも、さらにエスカレートしている感があります。お笑い芸人が「お約束」のもと、シナリオに基づいて行う「ツッコミ」や「いじり」と学校で行われるものとでは全く次元が異なります。学校の場合、その「ツッコミ」や「いじり」は「冷やかし」「からかい」と表裏一体です。そして「ツッコミ」や「いじり」の後には必ず「笑い」があります。決して健康的とは言えない「笑い」、それは「嘲笑」と言っても過言ではありません。特に学級活動など真剣な話し合いの場では、相手を傷つけ貶(おとし)める悪意ともなります。 6月の学校再開前からSNSでのトラブル相談が相次ぎました。これは再開後も収束しているわけではありません。一方で直接の話し合いの場での心ない「笑い」の常態化も放置できません。どちらのケースもまずはルールを学ぶことが重要です。SNSも話し合いも、お互いを尊重する姿勢が必要不可欠です。相手の立場に立って考える、まさに想像力が求められるのです。「ツッコミ」を入れて「笑い」をとる。「ツッコミ」を入れた人は「笑い」だけに意識がいきがちですが、本来ならそこで「笑っていない」人に着目することが大切です。 今年ブームになったお笑い芸人で、相手を否定しない笑いというものがありました。「ツッコミ」は見方によれば相手を否定することです。いわゆる否定しない「ツッコミ」、相手を肯定する芸が評判を呼んだのも、否定形が多い昨今の社会状況下、相手を認めることの大切さに改めて社会全体が気づき始めたからかもしれません。 校長 建部 豊 新たな一歩のために 〜鼠壁を忘れず〜 【1】3ヶ月以上に渡った休校期間中には、ご家庭の負担や生徒たちの不安が増大することとなりました。砧中学校ではこの休校期間、生徒・保護者の不安解消を最優先課題とし、情報発信に努め、今後の方向性をいち早くお示しできるよう全力を傾けてきました。この期間での本校の取り組みには、保護者の皆様や地域の方々から高い評価をいただきました。 しかし、学校再開後、残念ながらその評価を裏切るような事態を招くこととなりました。個人情報管理の甘さや教員による不適切な言動など、生徒の模範となるべき教員の信頼を失墜する事故が相次ぎ、教育委員会から管理職が厳しく指導を受ける状況に至りました。教育委員会からは、生徒指導を行う教員だからこそ、自己並びに組織管理の徹底が最も重要であり、自分に甘く他人に厳しくなっていないかの検証が必要との指摘を受けました。 本校ではこの指摘を真摯に受けとめ、組織環境の見直しに着手いたしましたが、未だ信頼回復には至っているとは言えません。教育委員会からの管理職指導後も、保護者からの相談に迅速に対応できないなどの訴えや配付文書の誤字脱字が繰り返され、危機管理意識が校内で十分醸成されていない現状が続いています。 今年度のスタートにあたり、教職員間で共通理解したことは、教育公務員の使命として、前例のない状況下だからこそ生徒・保護者の不安解消に全力を尽くすという意識を持つことでした。しかしこの意識が日常の中で薄れていることを自覚しなければならないと考えています。改めて25日(金)放課後、臨時の職員会議の場において、「できない」から発想するのではなく、どうすれば「できる」かを考え、生徒たちの自尊感情を高める取り組みに全力を挙げることを再確認しました。 今年度、生徒たちは多くの教育活動が削減され、学ぶ機会を失っています。私たち教職員がそのことを自覚し、失われた機会を少しずつでも回復するため、寄り添い、支え、伸ばしていくことができるよう、年明けより心機一転取り組んでまいります。 校長 建部 豊 ※ 「鼠壁を忘る、壁鼠を忘れず」ということわざがあります。鼠が壁に傷をつける、つけた鼠は忘れていても、つけられた壁はその事を忘れないという意味です。子年(ねずみどし)の終わりに自戒を込めて、この3回の記事の副題を「鼠壁を忘れず」としました。 『富岳の眺め』 No.155【知らないを知る】左欄「最新の更新」をご覧ください。過去の記事をお読みになる場合は、左欄「カテゴリ」から「校長室より」を開いてください、 誤字のお詫び
昨日配付しました「冬休みの生活の過ごし方」に誤字がありました。三密の密が蜜になっていました。お詫びして訂正いたします。
教育相談で学校からの文書に誤字、脱字が多いことのご指摘をいただいていたにもかかわらず、改善できていないことを重く受け止め、今後のチェック体制を整えてまいります。(副校長) 新型コロナウイルス感染症陽性者発生時の対応について
先日の学校保健委員会で、新型コロナウイルス感染症陽性者発生時の対応について知っておきたいというご意見をいただきました。
明日、現時点での陽性者発生時の対応について次の文書を配布いたします。 また、世田谷保健所から出ている、年末年始に発熱等を生じた際の相談窓口についての資料も併せて配布いたします。 ご確認をお願いいたします。 【新型コロナウイルス陽性者発生時の対応について】 新型コロナウイルス感染症陽性者発生時の対応について 【世田谷保健所からのお知らせ 年末年始の対応について】 世田谷保健所から新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ 12月1日から12月25日までの健康観察表の回収日が明日となっておりますので、よろしくお願いいたします。 初心者対象の剣道大会剣道部顧問 平田正幸 子ども駅伝、FINISH!結果は、 男女ともに砧の学び舎チームが一位でゴールすることができました!男女揃っての大会4連覇達成です!! また出場した砧の学び舎全チームが入賞することができました。 そして中学生がチームのアップを仕切り、リーダーシップを発揮してくれました。学び舎のチームメイトになった小学生に、中学生としての素晴らしい姿を見せることができたのではないでしょうか。今日の経験を今日だけで終わらせるのではなく、今後の学校生活に生かしていってほしいと願っています。 参加した選手の皆さん、お疲れ様でした!! 子ども駅伝担当 検校幸雄 米川慧 黒田将也 子ども駅伝 スタートしました!小・中学生の部、スタートです!! 応援宜しくお願いします! 子ども駅伝 まもなくスタートまもなくスタートです! 黒田 将也 砧の学び舎チーム集結!先ほど、中学生と小学生が合流し、学び舎チームのメンバーを結成しました。 これから受付を済ませて、アップに入ります。 寒さに負けず、最後まで走り切る姿を楽しみにしています! 頑張れ!砧の学び舎! 黒田 将也 『富岳の眺め』 No.154【If you want it】左欄「最新の更新」からご覧ください。過去の記事をお読みになる場合は左欄「カテゴリ」の「校長室より」を開いてください。 『富岳の眺め』 No.153【事実を解釈する】左欄「最新の更新」をご覧ください。過去の記事をお読みになる場合は左欄「カテゴリ」から「校長室より」を選んでください。 バドミントン部 男子冬季大会(個人戦)結果は、シングルス第2位、ダブルス第3位に入賞し、2組がベスト8まで残りました! ベスト4以上は1月に開催されるブロック大会への出場権が得られ、見事獲得することができました。日頃の練習の成果が出せていたと感じましたが、選手たちはまだまだ満足はしていないようでした。 選手たちのモチベーションに寄り添いつつ、今後も部員、顧問一丸となって練習に励んでまいりますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。 来週は女子の大会があります。男子に続き、良い結果が残せるよう頑張ります! バドミントン部顧問 大野 竜太郎 大澤 里奈 『富岳の眺め』 No.152【敗者の歌】左欄「最新の更新」をご覧ください。過去の記事をお読みになる場合は左欄「カテゴリ」の中の「校長室より」を選んでください。 |
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