少し前の話ですが、廊下を歩いていると、輪投げをしている3年生に出会いました。授業中に廊下で輪投げ!?遊んでいるのかな?と、よくよく見てみると真ん中に置かれたペットボトルから同じ距離に印がたくさんついていて、それぞれがその印から輪っかを投げていました。それを見て「お、これは算数の学習だな。」と、気が付きました。円とは何か、と聞くと、子どもたちはよく「まる」とか「輪」とか答えますが、正解は「ある1点から同じ距離にある点を結んだ線(あるいは、点の集まり)」ということになります。輪投げで言えば、「ある点(中心)」が真ん中に置かれたペットボトルで、子どもたちが立っている所が「ある点から同じ距離にある点(円周)」ということになります。輪投げは、よく的から離れた場所に引かれた直線から投げる場合が多いですが、あれだと投げる場所によって的までの距離が違います。もしも本当に公平な勝負にしようてするならば、的までの距離が等しい「円」にするべきですね。何だか小難しい話になりましたが・・・そんなわけで、子どもたちは遊びの体験を通して、円の性質を学んでいたわけです。
さて、コンパスを使って円を描くのは3年生には結構難しい操作です。親指と人差し指をこするようにして一周させるわけですが、子どもの小さな指ではなかなかそれが難しい。今は、指先の操作が苦手な子にも使いやすいコンパスなどもありますので、そういうものから始めるのもいいですね。ユニバーサルデザインなので、得意な子にとっても使いやすいと思います。ちなみに、コンパスは「円を描く道具」と思われがち(もちろん円を描けます!)ですが、円の定義を考えて正確に言えば、コンパスは「長さを測りとる(写しとる)道具」ということになるわけです。ある距離を測りとった点をなぞった結果、円を描くことかできるわけです。
日常の当たり前、あるいは当たり前と思っていることをしっかり定義したり、整理したりすることも小学校での大切な学習です。