生徒の立場にたってオンライン授業を考えてみた(1) 同じ時間にカメラの前に一同に会して、会議に参加することは相当疲れます。1時間程度の会議ならまだしも、生徒の気持ちになって、授業のように5〜6時間画面に向き合うと考えると、常に自分が見られている気がして、教室以上に緊張が強いられるように感じました。 (2) 万が一、音声が聞こえないなどの不具合があった場合、それを言い出しづらい雰囲気があります。自分がみんなの迷惑になるのではないかと。音声が聞こえないまま、聞こえているふりしてということが起こり得るでしょう(実際に私がそうでした)。また教師もその状況に気づかないまま、授業を進行する可能性があります。 (3) 教室で発言するのも勇気がいりますが、カメラの前での発言にはさらに勇気が必要です。目の前には全員の顔があります。雑談ならまだしも、真面目な質問など、ちょっと言いづらく感じました。 (4) 動画配信であれば、自分が学びたい時間に、自分のペースで(一時停止したり、繰り返し視聴したり)学習できる安心感があります。ただし、教師側からの一方通行に陥りやすい面はあります。 (5) オンライン授業は、しばらくは物珍しさからある程度は機能すると思いますが、一定期間経つと、飽きてくるように感じました。この先、ずっとこの方法で進めていくのか、一時的なブームとして捉えないことが大切です。 オンライン授業の迅速な導入が主張されていますが、生徒たちにとって、また生徒たちの立場にたってという面がまだ十分伝わってきません。双方向型と動画配信のそれぞれのメリットをうまく使い分けることも必要だと感じました。 教室での授業を時代遅れのように論ずる風潮もありますが、授業後、先生を追いかけて質問したり、休み時間に生徒同士感想を言い合ったり、教師が教室内を巡りながら、一人ひとりの様子から進捗状況を把握したり、という面の重要性を再認識しました。 今後、生徒の学習支援の手段は準備が整い次第、積極的に導入してまいります。一方でその手段を長期にわたって活用していくことも想定した場合、課題も明らかにしながら、その改善を図りたいと考えています。引き続き検証を重ねていきたいと考えています。 砧中学校 校長 建部 豊 |
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