学校の役割を再定義する2年生の受講態度にお褒めの言葉を頂戴しました。砧中学校に毎年多くの方々がお力添えをいただけるのも、代々の生徒たちの取り組み姿勢への評価です。昨年度の2年生(現3年生)への評価が今年度につながり、そして今年度の生徒の評価が来年度へとつながっていきます。「砧中であれば是非協力したい」といった多くの声の背景には、何年にもわたる学校・生徒への信頼があることを忘れてはならないと改めて認識しました。 9名の講師の方々からは「働く」とはどういうことかを教えていただきました。「働く」とは「私的」な場から「公的」な場へ自らの立場を置きかえることとも言えます。「公的」な場では当然様々な制約を受けます。時間や締め切りを守る、相手の信頼にこたえる、成果を上げるなどです。それは「私的」な振る舞いを抑え、「公的」な役割を果たすことでもあります。自分の思いのままだけでは相手に何らかの支障をきたすこともあります。例えば仕事の締め切りを守らなければ、他人の仕事に迷惑をかけることになるでしょう。そういう意味では、学校生活は将来自らが役割を果たすことになる「公的」な場を疑似体験して学ぶ機会とみることもできます。もちろん、学校での制約(ルール)は一方的なものであってはなりません。その制約が生徒の将来にとってどういった意味を持つのか、今後も保護者の皆様との対話を通じて、残すべきものと見直すべきものを絶えず検証していきたいと考えています。 講師の方々のお話から、どの職業も「楽しい」だけでやっていけるものではないことを生徒たちは学びました。様々な制約を受けながらも、相手の信頼にこたえ、成果を上げた時に初めて達成感を味わえます。学校の教育活動を通じて、生徒一人ひとりが壁を乗り越えた先に達成感を得られるよう、全教職員は過程を重視しながら支援してまいります。 今年度コロナ問題の影響下、生徒たちは多くの教育活動の機会を失いました。だからこそ実施できる教育活動の意味を原点に立ち返って考え、生徒たちの将来にどういった価値付けができるかを、今後も保護者の皆様と共有していければと思っております。 校長 建部 豊 |
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