全校朝会(7月11日 同窓会の山崎勝弘様のお話)
- 公開日
- 2011/07/11
- 更新日
- 2011/07/11
今日のできごと
今年は駒沢小学校創立110周年です。今朝の全校朝会では、同窓会の山崎勝弘様が、地域の古い給水塔についてのお話をしてくださいました。
「今日は駒沢小学校の近くの弦巻2丁目の丘の上に建っている不思議な形をした2本の塔、駒沢給水塔についてお話に来ました。
今から80年から90年前の大正時代、東京都渋谷区は東京府豊多摩郡渋谷町と呼ばれていました。しかし渋谷町にはまだ水道がなく井戸水を使っていました。東京の発展につれて住む人が増えてくると飲み水だけでなく火事や病気を防ぐためにも、ぜひ水道をつくってほしいという声が高まってきました。そこで渋谷町は水道を作ろうと決心し、北多摩郡砧村字鎌田(今の世田谷区鎌田)から水を取ることを決めました。
そして大正10年(1921年)には鎌田から駒沢を通って渋谷まで水道管を引く大工事が始まりました。多摩川から引いた水を駒沢給水塔へ強力なポンプで押し上げ、駒沢給水塔からその高さを利用し一気に渋谷町へ送ることができました。
この給水塔は鉄筋コンクリートでつくられ、太さは内側で14メートル、高さは30メートルほど(8階建てのビルくらい)あります。給水塔には2本の塔で約5540トン(2リットルのペットボトルで約276万本)の水をためることができます。
大正12年(1923年)3月に南側の2号塔が最初にできました。しかしその年の9月、有名な関東大震災がおきました。その時の東京での揺れの強さは最近起きた東日本大震災の東京での揺れより大きかったのですが、塔はびくともしませんでした。
この塔は中島鋭治という偉い建築家が設計しました。塔は柱の形や丸いドームのような屋根や色々な飾りをつけていますが、なんといっても一番おしゃれなのは塔の上についている飾り玉です。飾り玉の中には電球が入っていて明かりがつくようになっています。飾り玉はかんむりを飾る宝石にも見えます。
桜新町の「さくらまつり」(4月中旬の日曜日)、水道週間(6月1日から7日)
都民の日(10月1日)の夜にはぜんぶで28個の飾り玉の電球がついて夜空に輝きます。
今は自由に中に入って見学できるのは10月1日の都民の日だけですが、将来はいつでも自由に入れる美しい公園にしたいと思っています。それではいつか皆さんをこの世田谷の宝物、駒沢給水塔へご案内できる日を楽しみにして今日のお話を終わります。
〜駒沢小学校同窓会・駒沢給水塔風景資産保存会 山崎勝弘〜」
また、給水塔の敷地には、8匹のタヌキが住みついていると言うお話にも、子どもたちは興味津々でした。そんなのどかなところが近くに残っていることが嬉しいですね。それにも増して、同窓生の方が、子どもたちのためにいらしてお話をしてくださるというのはありがたいことです。いろいろな点で地域の方々にご協力をいただいて学校生活が成り立っていることをしみじみと感じたひとときでした。