学校日記

全校朝会(2月6日 副校長の話)

公開日
2012/02/06
更新日
2012/02/06

今日のできごと

やりぬく心
                           副校長 坂上幸子

 皆さんは、小惑星探査機「はやぶさ」を知っていますか。
一昨年(2010年)の6月におよそ7年余りの宇宙の旅を終えて、日本に還ってきました。
2003年5月に打ち上げられ、2年半飛び続けて、ようやく2005年11月に3億キロ離れた小惑星「いとかわ」に到着しました。日本から南米にいるハエを撃ち落とすくらいのむずかしいことだったようです。
今まで地球以外の天体でサンプルを採取したのは、月だけだったので、このミッションで、はやぶさが小惑星からサンプルを採取できたことは、世界初のすばらしいことでした。
しかしながら、60億キロにも及んだ宇宙の航海はトラブル続きで、予定より3年近くも遅れて還ってきました。たとえば、はやぶさが、イトカワで7週間にわたって通信がとぎれてどこに行ったか分からなくなったとき、計画をやめるように迫られたこともあったようです。また、4つのエンジンの内3つが壊れてしまい、研究者は管制室から壊れたエンジンの2台の使える部品をつないだりして根気強く作業を続け、使えるようにしました。噴射の弾丸が発射されずに失敗におわってしまいました。はやぶさは自分で姿勢をコントロールできなくなってしまったために還ってくるための指令ができなくなり、その結果、3年近くも太陽の周りを飛び続け、地球に還ってくる瞬間を待つことになってしまいました。
こんなにいろいろな技術的トラブルが続くのに、絶対に日本に還ってくるとあきらめずに最後までやりぬいた心は、どこから来ているのでしょうか。
それは、はやぶさ打ち上げにいたるまでの十数年も前からの用意周到な計画、研究、準備がされたこと、そして、これだけの準備をしたんだという研究者の自信と、絶対に成功させるといった執念が、はやぶさの帰還につながったのだと思います。日本のもの作りの底力と技術力に大いに自信と誇りをもちたいものです。
このことは、日本中の人々に大きな勇気と希望を与えてくれました。それは正に研究者の「あきらめずにやりぬく心」があったからこそです。
今月の人格の完成をめざしては、「やりぬく心」です。皆さんも、目標を見つけ、目標に向かって最後まで努力を続けていってください。やると決めたことを最後までやり遂(と)げてください。毎日努力し続けることが、自分の夢の実現に近づく一歩なのです。