学校日記

全校朝会(2月13日 学校長の話)

公開日
2012/02/14
更新日
2012/02/14

今日のできごと

チョコレートの秘密
         
 おはようございます。
 今日はチョコレートの秘密についてお話します。皆さんはチョコレートを好きですか。何気なく食べているチョコレートですが、このチョコレートの主な原料は何だと思いますか。このカカオ豆です。みかんがみかんの木になるように、このカカオ豆は、カカオの木になるカカオの実からとれます。(大きさは、大体14〜15センチメートルぐらいで、1個の実の中に、カカオ豆が20〜40粒入っています。)このカカオは日本では収穫されないので、ほとんどがガーナやエクアドル・コートジボアールなど南の国から輸入しています。
ところが、このカカオを育てる農園では、大人ばかりでなく、実は小さな子どもたち、みなさんと同じくらいの子どもたちが大勢働いています。それは、生きるために働かなくてはいけないのです。その子どもたちは、家族のために働いても働いても、その日食べるのがやっとという状態で、学校に行きたくてもいけず、遊びたくても遊べず、10時間以上働いている子どももいます。児童労働者とよばれ、世界にはいろいろな形で働いている子どもや条件が悪いなかで働いている子どもが、何と2億人以上いるといわれています。(日本の人口よりはるかに多いのです。)・・(バナナ農園、鉱山、サッカーボール作りなど)
 実は、このカカオ農園で働いている子どもたちは、自分たちが育てた豆から何が作られているのか、たくさんの国で愛されているこの小さな甘いお菓子であることも知らず、チョコレートを見たことも食べたこともないのです。このような現実があります。

ところで、このチョコレートは約100円ですが、このチョコにカカオは大体10粒使っています。さて、この10粒をいくらで輸入していると思いますか。
1、30円   2、10円  3、2円
答えは3番の2円です。他に、ミルクや砂糖、包装・加工賃等が入るけれど、実際に働いている人のところには、ほんの少ししか賃金として届けられません。私たちは、安い価格の方が買い物をしやすいのですが、その安い賃金で働いている子どもたちや大人の人権を守るために、これはおかしいのではないかと活動している人たちがいます。自分たちで会社を立ち上げて、チョコレートやバナナ・コーヒーなどふつうよりも高い価格ですが、できるだけ、労働に見合った賃金が渡るようにしたいと活動しています。それが、フェアトレードと言って訳すと、「公正な貿易」です。(本来、貿易によって人々の生活は豊かになることが望ましいのですが、残念ながら、必ずしも生産する人・仲介の人(輸入業者)・消費者のすべての人々の生活が豊かになっているとはいえない現実があります。ですから、その社会的な、経済的な、環境的な様々な問題点や負担を考慮して、取引をできるかぎり公正なものにしていこうという動きです。(このマークを見たことがありますか。)
私たちは、地球の反対側にいる生産者や児童労働者のことをを少し考え行動するだけで、世界は変わるかもしれません。
 皆さんが食べているチョコレートにもいろいろな問題・秘密がかくされているというお話でした。