相談室より〜号外〜
- 公開日
- 2020/04/28
- 更新日
- 2020/04/28
できごと
おはようございます。皆さん、今日も元気ですか?昨日のポステイングでの課題に取り組み始めましたか?「ステイホーム」で、計画的に学習をどんどん進めてください。
SCの先生が「相談室より」を作って下さいましたので、掲載します。
相談室より〜 号 外 〜
北沢中学校の生徒のみなさん、こんにちは。みなさんの晴れやかな姿を見るのを楽しみにしていましたが、休校措置により、それもしばらく延期となってしまいました。とても残念です。みなさんも、クラスや部活、委員会、習い事、お出かけなど、学校の内外のさまざまな活動が中止・延期・自粛となり、かなりのフラストレーションをためているのではと思います。新型コロナウイルスという、未知の病と闘う不安もあることでしょう。
そんなみなさんと同じにように不安やもんもんとした気持ちを抱えている世界中のティーンエイジャーに向けて、ユニセフ(国際児童基金)がホームページに載せたメッセージがあります。原文は英語ですが、それをみなさんにぜひ紹介したいと思い、八島が日本語に訳しました。日本に暮らすみなさんにはしっくりなじまない個所がいくつかあるかもしれません。ですが、大半は共感できる内容だと思います。自分の心の健康を守る上で少しでも役に立ちそうな部分は、ぜひ心にとめておいてもらえると嬉しいです。
(以下、斜め文字はユニセフのホームページより引用。〔 〕内は訳者による補足。)
新型コロナウイルスからティーンエイジャーが自分の心の健康をどう守るか
ニューノーマル〔”新常態”〕と向き合うティーンエイジャーのための6つのこと
思春期というだけでも大変だというのに、新型コロナウイルスはそれを更にこじらせています。休校措置や様々なイベントの中止により、多くのティーンエイジャーが、青春時代の大事なイベントだけでなく、友達とのおしゃべりや授業への参加といった日常生活をも奪われているのです。
今回の感染拡大で生活上の変化に直面し、不安や孤独、落胆を感じているティーンエイジャーのみなさん、これだけは覚えておいてください。あなたは一人ではない、ということを。
思春期心理学の専門家で、ベストセラー作家、『月刊ニューヨークタイムズ』のコラムニストでもあるリサ=デーモア博士に、自分の心の健康のためにみなさん自身ができることを伺いました。
1.不安になるのはごく当たり前のことなのだと知ろう
もし休校措置やニュースの見出しなどで不安を感じているのなら、それはあなただけではありません。実際、不安こそがあなたが抱くべき感情なのです。「‟不安”は私たちに危険を知らせ、自分を守れと知らせてくれる、健康を守る上でとても重要な役割があります。」と、デーモア博士は言います。「‟不安”は、この状況下で自分がどうすべきかを判断する手伝いをしてくれるのです。例えば、大勢の人と長時間一緒に過ごすのをやめようとか、手はきれいに洗おうとか、汚れた手で自分の顔に触れるのはやめよう、とかね。」このような感情は、あなたの安全だけでなく他の人の安全をも守ってくれます。これは、「地域の人をどう守るかにもつながってきます。〔不安のおかげで〕周囲のことも考えられるようになる」のです。
新型コロナウイルスに対して不安を抱くのは当然のこととは言え、「情報を得る場合は、信頼できる情報源(例えば、ユニセフやWHO〔世界保健機構〕)から得ること。あるいは、信頼できない情報源からのものではないということを確認してほしい。」とデーモア博士は奨励します。
もし、自分に症状があるのではと不安なら、それを親に伝えるのはとても大切なことです。新型コロナウイルスの多くの症状は治療可能です。体調がすぐれない時やウイルスが心配な時は、親や信頼できる大人に知らせることを博士は勧めています。そうすれば、大人たちがあなたを助けることができるからです。
そして、覚えておいて下さい。「自分自身や周囲の人の安全を守るためにできること、コロナ禍に振り回されないためにできることはたくさんあります。手を頻繁に洗いましょう。顔を手で触らず、ソーシャルディスタンシング〔安全な対人距離をとること〕を心がけましょう。」
2.気晴らしを見つけよう
「困難な状況がずっと続いている時は、困っていることを二つに分類しましょう。自力で対処できることか、あるいは自分ではどうにもできないことか、という分類です。」と、デーモア博士は言います。コロナ禍では、後者のカテゴリーに当たるものが多いのは仕方のないことです。ですが、どうにもならないことを乗り切るためにみなさんができることの一つに、気晴らしを見つけるということが挙げられます。毎日の生活での安心感を得、心のバランスを保つために、自分ができそうなことを探してみようとデーモア博士は提案します。例えば、宿題をやったり、お気に入りの映画を見たり、小説をベッドの中で読んだり、などです。
3.友達とつながるための新しい方法を見つけよう
ソーシャルディスタンシングを実践しつつも友達とも一緒にいたい時には、ソーシャルメディア〔SNS〕が素晴らしい方法となります。発想豊かに〔活用方法を〕考えてみましょう。
ですが、「スマホの画面やSNSへのアクセスに〔身も心も〕しばられるのは良いことではありません。それは不健康的だし、賢明でもないし、自分の不安をあおるだけです。」と、デーモア博士は言います。スマホなどの利用時間については親とよく話しあって決めることを、博士は奨励しています。
4.‟自分”に気持ちを向けよう
何か新しいことに挑戦したい、新しい本を読み始めたい、楽器の腕に磨きをかけたいなど、いつかはやりたいと思っていたことはありませんか?今こそが、その時です。‟自分”に気持ちを向け、〔コロナ禍で〕新しく得られた時間を有効に使うことは、心の健康を保つ上でとても建設的な方法です。「私の場合、読みたいと思っていた本とやろうやろうと思ってきた事を全てリストアップしています。」と、デーモア博士は言っています。
5.自分の感情に触れよう
友達とのお楽しみや、趣味に関すること、スポーツの試合などが中止になってしまったことは、非常に残念なことです。「これらは重大なロス〔喪失〕です。こと、ティーンエイジャーにとっては、本当に残念なことでしょう。」とデーモア博士は言います。このようなガッカリした気持ちを、どうしたら一番よいでしょうか?しっかりとその感情に触れ、受け止めたら良いのです。「辛い気持ちになった時は、とにかくその感情〔のトンネル〕を通り抜け切らないことには出口には出られません。心のままに悲しめばいいのです。きちんと自分の悲しみを表現できた方が、早く気持ちが楽になりますよ。」
〔悲しみや不安の〕感情をどのようにやりくりするかは、人それぞれです。「芸術作品をつくる子もいるでしょう。友達と悲しさを共有つつ、一緒にいられない状況でもつながりを感じようとする子もいるでしょう。食料品をいかにフードバンク〔余った食料品などを、それを必要とする人々や施設に届ける人道的活動〕に届けるかを考えたいと思う子もいるでしょうね。」と、デーモア博士は言います。重要なのは、自分に合ったことをする、ということです。
6.自分にも他の人にも優しくなろう
新型コロナウイルスが理由で、学校でいじめや暴力を受けている子もいます。「どんな類のいじめにおいても、いじめを見て見ぬ振りをしていた人〔傍観者〕が動き出すことこそが一番の対処法になります。」と、デーモア博士は言います。「いじめのターゲットになっている子たちに、いじめに立ち向かうように言ってはいけません。むしろ、友達や大人に助けや支援を求めるよう励ますべきです。」
もしあなたがいじめに遭っている友達を目撃したら、その子に声をかけ、自分が助けになれることを伝えてあげてください。もしあなたが動き出さなければ、その子は周囲のみんなが自分の敵で、『誰も自分のことなど気にかけてもくれない。』と取り残された気持ちになってしまうでしょう。あなたの言葉で、変化を起こすことができるのです。
ですが、これだけは忘れないでください。今こそ、今まで以上に、自分の言葉に細心の注意を払うようにすることを。あなたが言ったこと、シェアした言葉で、周囲の人を傷つけてしまわないように。
(原文出典: “How teenagers can protect their mental health during coronavirus – 6 strategies for teens facing a new (temporary) normal”
http://www.unicef.org/coronavirus/how-teenagers-can-protect-their-mental-health-during-coronavirus-covid-19)
いかがでしたか。このコロナ禍にあってもみなさんが前向きに生活できるためのヒントが、一つでも見つかれば嬉しいです。そして今、世界中で、みなさんと同じティーンエイジャーが、同じような苦悩に直面し、同じような不安を抱えながらも、同じように自分自身を奮い立たせようと頑張っていることが、みなさんにも伝わったといいなと願っています。
ユニセフからのメッセージにあるように、みなさんも不安や悲しみを自分だけで抱え込まず、周囲の人と(物理的には無理でも)上手につながって、励まし合い、なぐさめ合い、いたわり合いながら、今を乗り越えて行きましょう!
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