用賀中学校日記

「AIと生きる時代に、私たちはどう考えるか」

公開日
2025/06/10
更新日
2025/06/10

校長室だより



6月10日の全校朝礼では、NPO法人「みんなのコード」から千石一朗先生をお迎えし、「生成AI」について学びました。ChatGPTをはじめとするAIが身近な存在となる中で、「AIとは何か」「どう活用するか」について深く考える時間となりました。


生徒の皆さんのふり返りから見えてきたのは、大きく3つの大切な視点です。


1つ目は、「生成AIは魔法の道具ではない」ということ。多くの人が「AIは間違えることがある」「すべて鵜呑みにしてはいけない」と答えていました。実際、AIが出す情報の中には事実と異なる内容が含まれることがあり、これを「ハルシネーション」と呼びます。つまり、AIがどんなに便利であっても、それを正しく使うためには、自分の頭で「本当に正しいのか」を判断する力が必要です。


2つ目は、「AIを使う責任は人間にある」ということです。AIには感情も責任もありません。だからこそ、使う側がしっかりと考え、正しく使わなければなりません。「AIを悪用しない」「人を傷つけない使い方をする」など、たくさんの人が「責任」をキーワードとして挙げていたことが印象的でした。AIをどう使うかによって、それは良い道具にも、危険な道具にもなるのです。


そして3つ目は、「AIは自分の可能性を広げる道具である」という視点です。「作文や絵をつくってみたい」「わからないことを調べたい」「アイデアを出すのに使いたい」など、皆さんの中からは前向きな活用の声もたくさん聞かれました。大事なのは、「AIに使われる」のではなく、「AIを使いこなす」こと。そのためには、日々の授業の中で、自分で考える力、情報を読み取る力、そして判断する力をしっかりと育てていく必要があります。


用賀中学校では、今後も生成AIを正しく活用するための学びを続けていきます。便利だからこそ怖さもあるAI。でも、だからこそ「人間だからこそできること」を大切にしながら、上手に付き合っていきましょう。


ようがの学び舎 世田谷区立用賀中学校 校長 毛利 慎治