学校日記

卒業式式辞

公開日
2008/04/02
更新日
2008/04/02

校長室だより

平成19年度 世田谷区立八幡小学校 第128回卒業式 式辞
 校庭の桜のつぼみが、暖かい春の日差しにつつまれ、一輪、一輪、花開こうとしているのが感じられる、本日のよき日、本校、第百二十八回卒業生、八十六名が本校を巣立ち、まさに花開きます。

 本日は、みなさんの卒業をお祝いし、お忙しいところを、たくさんのご来賓の方々がかけつけてくださいました。おかげさまで、このように盛大に卒業式を挙行できますこと、まことに感激にたえません。厚くお礼申し上げます。
 本年度から本校は、地域運営学校として、さらに八幡中学校、九品仏小学校と連携し教育を進める「世田谷9年教育パイロット校」としての道を歩み始めました。先日、八幡中学校の卒業式に参列させていただき、卒業生が自らつくった曲を、声高らかに歌い上げる姿を目の当たりにし、この地域の教育力の高さを実感すると同時に、「地域で育てる地域の子ども」をさらに推進する決意を新たにしました。今後ともご支援をよろしくお願いします。

あらためて・・・卒業生のみなさん。ご卒業おめでとうございます。
 ただいま、お渡しいたしました卒業証書は、六年間にわたる小学校の課程が終わったというしるしです。また、みなさん一人ひとりが八幡小学校で積み重ねてきた努力と経験の「あかし」です。その紙も、自分で紙をすくという体験の成果でしたね。
 そして、その卒業証書には一万三千四百八十七番から一万三千五百七十二番までの番号がついています。皆さんも含めてこれだけの人数が、この八幡小で学んだということです。みなさん自身が、百二十八年の伝統の上に築かれてきた歴史の一ページでもあるわけです。ぜひみなさんには、八幡小学校の卒業生であることに誇りと自信をもって、これからの人生を歩み、生きる力を積み重ねていってほしいと思います。
 積み重ねると言えば、・・・
 積み木を一個ずつ積み重ねていくことを人生にたとえれば、こうやって高く高く積み重ねて行く生き方もあれば、こうやって土台を広く固め、少しずつ高くしていく生き方もあります。
 最初の方は、より高いところにのぼれますが、不安定で、リスクも多い。後の方は、簡単に高くはできないけれど、がっちりしている。私は、後者の方を選んでほしいと願っています。知識も、技能も、体力も、健康も、心も、裾野を広く、基礎となる土台を固め、逆風や揺れにもびくともしない「力」を身につけていってください。
 また、これから歩んでいく人生には、数多くの選択肢と分岐点が待ち受けています。この卒業と進学も皆さんの分岐点のうちの一つです。みなさんに望むのは、自分の進んでいく道を、しっかりと自分の足で踏みしめながら歩んでほしいということです。自分で考え判断してどちらに進むか選んでいけば、たとえ後戻りしなければならない時がきても道に迷うことはありません。
 「学問に王道なし」と言うことばがあります。意味は今さら説明することはないでしょう。すべてのことに王道はありません。一つ一つの積み重ねが大切です。そして自分自身で積み重ねていくことが大切です。その努力の果てに、輝かしい未来がまっているはずです。

 さて、最後になりましたが、ご列席いただきました保護者・ご家族のみなさまに一言およろこびを申し上げます。まだ幼さの残る一年生の頃から、こんなに立派に成長したのも、かげになり日向になりしっかり支えていただいたご家庭があってこそと思っております。四月から中学生になられるお子さん方は、人生の中で難しい時期をむかえますが、心のきずなを大切に、さらなる成長を見守ってやってください。これまでにいただきましたご厚情とご支援に感謝するとともに、今後ともよろしくお願いいたします。
 お子さんのご多幸を祈ってやみません。
 本日はおめでとうございます。
 お話を終わります。