学校日記

全校朝会での学校長の話

公開日
2015/01/13
更新日
2015/01/13

26年度できごと

1月13日 
 今月の人格の完成のテーマは「感謝」です。先週、各クラスで「感謝」についてみなさんが書いてもらったものを読ませてもらいました。いくつか紹介しましょう。『いつも私たちのために頑張ってくれているお父さんやお母さんに感謝します。わがままを言っている私ですがなんでもやってくれるお母さんにありがとうと言いたいです』『マンションをいつも掃除してくれる人に感謝の言葉を伝えようとしてもなかなか言えなかったのでしっかり言いたいです』『ありがとう、だけでなく○○してくれてありがとうと一言付け加えていいたい』感謝について、みんないろいろなことを深く考えているのだなと感心しました。

 ところでみなさん、お正月にお餅を食べましたか。なぜお正月にもち米を固めたお餅を食べるのか考えたことはありますか。日本人は昔から「お米」には他の食べものにはない特別な力があるもの、として大切にしてきました。特にすべて手作業でつくっていた時代にはお米には「神様の力」が宿っていると考えていました。その「神様の力」が入ったお米をいっぱい使って固めたお餅を1年の始まりであるお正月に食べると、その年は病気にかからず怪我もせず幸せに過ごすことができると信じてきたのです。同じ日本でもお米がとれない地域が大昔はあり、その地域では野山を駆け回る動物や自然に生えている植物に「神様の力」が宿っていると考え、それをいただくことで自分たちの命がつながっている、と信じていました。

 みんなが給食の時に『いただきます』『ごちそうさまでした』を手を合わせてするのは、給食を作ってくれた人、配膳してくれた当番の人への感謝の気持ちということだけでなく、日本人の「食べるもの」を大事にしようとする考え方から受け継がれている習慣なのです。

 今日本には食べるものがたくさんある、ように思えます。でも4年前の東日本大震災の時に、東京中の電車が止まり交通渋滞で道路が使えず家に帰ることができない人が夕食を求めてお店に殺到した時には、あっと言う間にコンビニやスーパーの棚から食料がなくなりました。あの状態があと2〜3日続いていたらどうなっていたでしょうか。

 みなさん、今日から『いただきます』『ごちそうさまでした』を言うときに今の話を思い出し、食べものを粗末にしていないか、振り返りながらよく味わって食べてくださいね。