全校朝会での学校長の話
- 公開日
- 2015/03/09
- 更新日
- 2015/03/09
26年度できごと
3月9日
おはようございます。今週の3月11日は、主に東北地方に大きな災害をもたらした東日本大震災からちょうど4年目にあたります。東北地方では、家を津波で流された多くの人が、未だに仮設住宅という仮の住まいに住んでいます。その人たちはこれからどうなるんだろう、と希望をもつことができないでいます。
そんな人たちに対して、自分ができることで少しでも役に立てるなら、と頑張っている人の記事が昨日の新聞に載っていました。井上晃雄(てるお)という85歳のおじいさんです。宮城県の石巻で楽器屋さんをしていたこのおじいさんは、自分のお店も津波に襲われ、店のピアノが全部海水に浸かってしまいました。震災後は、もうお店をやめてしまおう、と思ったのですが、たくさんのボランティアの人が一生懸命働いているのをみて「自分も被災した人に何か希望を与えることができないか」と思い、海水に浸かったピアノを修理する仕事を始めたのです。
新しいピアノを買った方がお金も時間もかからないこともあるそうですが、津波で流され学校の体育館で逆さまになっていたピアノから、きれいな音がでるようになると、被災した人たちが「やる気になればなんでもできる」という勇気がわいてくるのだそうです。
このおじいさんは残りの人生を海水に浸かったピアノの修理にかける、と新聞に書いてありました。東北の人たちはこのようにみんなで支えあっているのですね。東京の私たちも、4年たった震災のことを忘れないようにして、何か勇気を与えられることができるといいなあ、と思います