10月14日 図工室より(1)
- 公開日
- 2019/10/15
- 更新日
- 2019/10/15
学校日記
学校公開のある10月15日(火)の子どもまつりに合わせて、玄関ホールに子どもたちの描いたパラリンピックの絵を展示します。これは、世田谷区がオリンピック・パラリンピック事業の一環として進めている「モザイクアート制作事業」に、本校の3年生と4年生が7月に取り組んだものです。
「モザイクアート制作事業」とは、区の担当者の話によると、世田谷区の子どもたちがオリンピック・パラリンピックをテーマに描いた絵、約12500枚をモザイク状に構成し(データ化したのち縮小)、一枚の絵にするという“アート・プロジェクト”だそうです。完成した作品は、馬術競技の会場である区内の馬事公苑に展示される予定です。
さて、このアート・プロジェクトに参加するにあたって、駒沢小学校では「パラリンピック」に限定して描くことにしました。オリ・パラ教育でさまざまな学習、体験をしてきている子どもたちですが、パラリンピックについては競技内容まで十分浸透していないのが現状です。オリンピック・パラリンピックまで一年を切ったこの時期に、描くことを通して、競技に興味をもったり、ルールを覚えたり、さらには障害についての関心が深まる機会になればと考えました。
授業は、次のような流れで進めました。
(1)競技を選ぶ……………各学級(1時間)
(2)競技を調べる…………各学級(1〜2時間)
(3)競技から感じ取った思いを表現する…………図工(2時間)
「(1)競技を選ぶ」と「(2)競技を調べる」は、図工に限らず、なにかを表現する上で欠かせないとても大切なプロセスだと考えています。自分で選んだり、調べたりするうちに、その競技に対する関心が高まります。そうすると子どもたちの内面に、自然と描く意味のようなものが芽生えてきます。「これを描きたい」「こう描こう」という意欲が高まれば、上手い下手といった価値観ではなく、自分の“ものさし”で表現に向かえるようになります。つまり、ここでの活動は、競技に詳しくなることももちろん大切ですが、最終的に絵に表す今回のような活動では、描く意欲を高めることにもつながります。
(1)(2)の活動は各学級で行いました。パラリンピックの映像等を見たあと、子どもたちが関心をもった競技をひとつ選び、図書室の資料やタブレットPCを活用して競技の内容、ルールなどを調べました。3年生にとってはやや難しい活動かとも思いましたが、担任の発案により「パラリンピッククイズ」をつくることで、楽しく、意欲的な調べ学習につながったようです。
(3)の図工室の活動では、はじめに「自分だけの色画用紙づくり」を行いました。競技から感じた印象を共同絵の具(アクリル絵の具)とスポンジローラーで表しました。子どもたちには、色の混ぜかた、色の重ねかたを工夫するだけでなく、その競技をイメージしながら、身体を動かしながら描いてみよう、と投げかけました。
色画用紙づくりのあとは、竹ペンと墨を使って競技の絵を描きました。墨を使ったのは、普段から書写で慣れ親しんでいる画材であることと、やり直しの利かない墨の線には、自然と緊張感や躍動感が宿ること。また、竹ペンを使ったのは、均一ではない自由な線に自分らしさを見出しながら描いてほしかったからです。
たった数回の授業でしたが、できあがった作品からは子どもたちがパラリンピックという競技をどのように受け止め、何を感じ取り、表現につなげていったのか感じ取ることができると思います。
来年、これらの作品が巨大モザイクアートとして、馬術競技の会場である馬事公苑にどのように飾られるのか、いまからとても楽しみです。併せて、子どもたちのパラリンピックに対する関心や障害に対する理解がより一層深まることを願っています。(図工専科)