校長あいさつ
生徒を伸ばし、生徒を支え、未来に備える 第22代校長 加藤敏久(令和5年4月更新)
砧・・・織った布、洗った布や着物を叩いて柔らかくすると同時に、目を詰めて艶(つや)を出すための道具(板の台)。
砧の語源は衣板(きぬいた)にあるといわれ、布を木や石の板の上でたたくこと、その音をいい、秋の季語でもあります。
織り上がった布を槌(つち)で叩くことで、繊維どうしがなじみ、風合いが増すそうです。
また、世阿弥作といわれる能楽の作品に「砧」があり、成立は室町時代にさかのぼります。
こんにちは。昨年4月に着任いたしました加藤敏久と申します。
これまで世田谷区教育委員会教育指導課統括指導主事、駒沢中学校長、船橋希望中学校統括校長、同教育委員会教育政策部副参事(課長)、桜丘中学校長を務め、世田谷区内では長く管理職として勤務してまいりました。
砧中学校は、「開校75年以上の伝統を誇るすばらしい学校」です。このたび、その一員としてお迎えいただいたのも、縁あってのことと思います。このご縁を大切にしながら、砧中学校のためにがんばってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
「生徒を伸ばし、生徒を支え、未来に備える」を基本理念とし、10年、20年先を見通して生徒も教員も学び続ける砧中学校に、と考えています。これからの社会は予測困難な時代といわれてはいますが、人工知能(AI)などの科学技術の発展、人生100年時代となる医療の進展をはじめ、地球温暖化や戦争・紛争を止めること、ますます狭くなる地球上で多様な人たちとICTを活用して協働するグローバル化、それに伴う英語やプログラム言語によるやり取りなどの仕事のかたちの変化など、もはやある程度明らかだと思います。そういう未来の中では「自らの将来を考え、自ら選択し、前向きに挑み続ける力」(あきらめないで工夫してやり遂げること、後悔しない判断力・決断力、自分らしさ)と「多様性・包摂性を尊重する精神」(寛容さと相互理解、個性の伸長、公平さや公正さなど)が求められると考えています。
「温故知新」校名の砧のように万葉の頃からの人々の英知を学びながら、未来を生きていく柔軟でたくましい力とスキルを身に付けることができるよう、教育活動を展開してまいります。また、特別支援教育の充実とインクルーシブ教育の実現、不登校出現率の高まりへの対策など、世田谷区の施策にも適切に対応し、生徒一人一人を大切にしてまいります。
保護者・地域の皆様にはぜひこれらのことをご理解いただき、今後とも砧中学校へのご協力をお願いいたします。