探究するとは
- 公開日
- 2022/01/27
- 更新日
- 2022/01/27
今日のできごと
昨日ご紹介した金子みすゞの詩「不思議」。私が初めてこの詩に出会ったのは30年ほど前です。いい授業をしたい、わかりやすい授業をしたい、そう思いながら暗中模索だった当時の私。この詩に出会った瞬間、新たな地平が開けたような気がしました。教師になったことで「教える」という意識が強くなってしまい、子どもたちの不思議に向き合いながら、一緒にその不思議について考えることが無くなっていたように感じました。子どもたちと一緒に驚いたり、感動したりすること、そのことが今流行りの「探究的な学び」の基盤であるように思います。
「不思議」
私は不思議でたまらない
黒い雲からふる雨が
銀にひかっていることが
私は不思議でたまらない
青い桑の葉たべている
蚕(かいこ)が白くなることが
私は不思議でたまらない
たれもいじらぬ夕顔が
ひとりでぱらりと開くのが
私は不思議でたまらない
誰に聞いても笑ってて
あたりまえだ、ということが
金子みすゞ
今、多くの中学生はスマホを操作して、SNSで発信する技能は身につけています。しかし、スマホの中がどうなっているのか、なぜ文字が送信できるのか、そんな不思議を不思議とも思わず、操作テクニックだけが上達しているように思います。
砧中学校では、生徒たちと一緒に「なぜ?」を大切にして、生徒たちと一緒にその不思議の世界に入っていけるような教育をこれからも進めていきたいと考えています。その探究する姿勢が、将来へ向けての「キャリア教育」にも繋がっていくと信じています。
校長 建部 豊