日記

全校朝礼

公開日
2018/05/14
更新日
2018/05/14

できごと

本日、全校朝礼を行いました。校長先生から、物事を一面的に見るのではなく、多面的・多角的に考察することについての話がありました。(遠藤)

校長講話の内容です。

 みなさん、おはようございます。ゴールデンウィークも終わり、これから運動会練習が本格化してきます。自分の体調をしっかりコントロールして、しっかり練習に励んでください。期待しています。そして、5月の「人格の完成をめざして」のテーマは、「思いやり」です。「助け合う心」がキーワードになります。運動会準備にむけてぴったりのテーマですね。

 それでは、本題に入ります。本日は、歴史の話をします。
今年は、平成30年ですが、西暦では2018年です。明治維新から150年という節目にあたるので、薩摩・長州・土佐などでは記念のイベントが目白押しのようです。NHKの大河ドラマも、明治維新の立役者の一人、西郷隆盛を主人公にしています。
 1867年、江戸幕府最後の将軍徳川慶喜は、尊皇攘夷運動のさらなる高まりや徳川幕府政治への不満が倒幕の動きに進展していく中、諸藩を京都二条城に集めて、政権を天皇に返す「大政奉還」を宣言しました。しかし、あくまで武力で幕府を倒したい薩長両藩は「錦の御旗(天皇の軍隊としての印)」を掲げて、京都・鳥羽伏見の戦いを皮切りに倒幕の戦いが始まります。1868年1月から、69年5月まで続いた国内を二分する戦争を「戊辰戦争」といいます。倒幕軍は江戸城を無血開城させて新しい政府をつくり新しい時代を迎えることになります。これが「明治維新」で、今年で150年というわけです。
 一方、つい数ヶ月前まで京都守護職として、京都の治安維持を担当していた会津藩主松平容保率いる会津藩は、あっという間に「賊軍」になってしまいます。あの有名な新撰組は、松平容保の支配下にあって京都で活動していました。まさしく「勝てば官軍」。官軍は賊軍を徹底的に攻撃します。これが、戊辰戦争、会津では会津戦争です。

 私は、昨年の夏に会津地方を訪れる機会に恵まれました。現地の方と話をしているうちに明治維新の話題になったところ、「維新150年?会津・福島・東北の我々にとっては、戊辰戦争150年なんですよ」というのです。私は、この言葉で、今さらながら、時代背景や立場によるさまざまな思いや考え方の違い、一律ではない価値観があることを思い知らされることになりました。
 今おきていること、伝えられていることの本質や真実は何かをしっかり判断するために、疑問を持ち、批判的・多面的な見方と、根拠を持って主体的に考えることが「社会科」を学ぶ基本になります。薩長から見れば「維新150年」。会津から見れば「戊申150年」。全く違う歴史が見えてきます。一面的に見るのではなく、多面的・多角的に考察して、歴史や社会のできごとの見方・考え方を養ってほしいと思います。これからの世の中をよりよくしていくためにぜひとも身につけて欲しい力です。さまざまな教科の、日頃の授業のなかで、この力をのばしていくことができます。意欲的に授業にとりくんでください。

5月14日(月)全校朝礼