4月28日全校朝会
- 公開日
- 2014/05/01
- 更新日
- 2014/05/01
今日の出来事
おはようございます。
気持ちのいい季節になりました。先週の中学年・高学年の遠足では、3・4年生も5・6年生もよく協力して思い出に残るいい遠足を終えることができました。(鎌倉のハイキングで、5・6年生が出会った人に気持ちのよいあいさつをしたら、それに応えた方が「よくあいさつができる子どもたちですね。」とほめてくださいました。すてきな子どもたちです。)
さて、今日は、富岡製糸場と荒船風穴(あらふねふうけつ)などの絹産業遺産群が世界文化遺産に登ろくされる見通しになったというお話をします。(6月に開かれる世界遺産委員会で最終的に決まるそうです)
世界遺産というのは、将来にわたって残したい貴重な文化財や環境、いわば
「世界の宝」ともいうべきものです。遺跡や建造物が対象の「文化遺産」と生態系や地形などの「自然遺産」、両方の特質をもつ「複合遺産」があります。
日本では、昨年登録された富士山、法隆寺や原爆ドームなどの文化遺産が
13件あります。屋久島や小笠原諸島など自然遺産が4件あります。
富岡製糸場は、なぜ文化遺産に選ばれたのでしょう? それは・・
1872年(明治5年)、今から約140年前のことです。
明治政府は日本の近代化を進め、世界の先進諸国と対等な立場になるための努力をしていました。(重点施策として富国強兵・殖産興業を進めていました。)政府は交易を進めるために、「生糸の輸出の振興と品質の向上」をかかげ、世界最大規模の器械製糸工場を造りました。生糸は重要な輸出品目で、当時、輸出そうがくの何と約70〜80%以上占めた時期もあったそうです。
生糸というのは、カイコガというガからできます。カイコガは卵から幼虫になり、さなぎになりますが、そのとき、口から繊維を出して、まゆをつくります。そのまゆからとったままの生糸が、貴重な絹糸のもとになります。絹糸は、なめらかで光沢のあるものです。
政府は、世界に誇れる品質の良い生糸の量産化をするためにはどうしたらよいか。それには、まず良質な蚕の卵を確保することも重要だと考えました。たとえば、岩のすき間から吹き出す冷気を利用し蚕の卵を貯蔵したそうです。(荒船風穴)
また、器械製糸の技術や各農家の養蚕技術を改良するには、どうしたらよいかと考え、フランスなど外国人の指導者や専門家を招いて勉強し、教育する学校をつくり、たくさんの人が学んだそうです。
このたび、生糸の生産技術や国内の養蚕技術を高度化し絹製品の大量生産や消費の拡大に貢献した点が大きなポイントとして、認められました。
当時、絹織物、シルク製品は、ごく一部の人たちしか身に付けられない程、高価なものでしたが、今は私たちも普通に使えるようになりました。このように、今回、文化遺産になったのも、100年、200年前の多くの先人たちの情熱と智恵と工夫、科学技術や産業技術のたまものといえると思います。
みなさんも小学校を卒業するまでに、世界の宝である日本の歴史的・文化的・自然の遺産について学んでほしいと思います。
これでお話をおわります。