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☆給食 質問コーナー☆【R7.12.16】

公開日
2025/12/16
更新日
2025/12/16

給食

※初めての試みです。

 保護者の方から給食に関する質問をいただきました。

 その方は、日頃から砧中のホームページ「給食の紹介」をご覧になられているということでしたので、このような回答方法をとってみました。

 今後も子供達のために家庭・学校・地域で連携をとって、それぞれが理解し支え合うための一助になれることを、願っています。





12月16日時点


いただいた質問

①給食でほぼ毎日のように使っているレンズ豆ですが、メニューにどのように入れているのでしょうか?

 お店でレンズ豆を探すと意外に高いので、予算制限している給食でどうしているのだろうと疑問に思いました。



【回答】

・給食ではレンズ豆を軽く水洗いした後に、スープや煮物などによく使っています。私が感じるレンズ豆の使いやすい点は、味がまろやかで変な主張がなく、料理の味を崩すことがないことです。むしろ食感や味のまろやかさは「じゃが芋」に近く、いろんな料理に馴染んでくれます。しかしながら、生徒たちが食べる給食メニューにおいてわざわざ「主役」として目立たせる食品ではないと考えるため、あくまで影の立役者として、量が多くならないように注意して料理に使っています。

 また、時々「コロッケ」「ぎょうざ」「春巻き」「グラタン」など成型する料理に使ったこともあります。その場合、豆を感じる食感が残ってしまうと料理に違和感が出てしまうため、その際は「水洗い」ではなく「下茹で」を行うようにしています。


・値段について、私自身、日常生活で「レンズ豆」を見かけた記憶がないというよりも、探したことがないので市場価格はなんとも言えないところで、すみません。しかし、給食を通して、うちの学校の調理員さんもレンズ豆に興味をもって、家で使っているとも話されていたので、私が思うよりも日常的な豆なのかもしれません。

 給食においては、大豆よりもちょっと高い程度で、使うことを躊躇(ちゅうちょ)するような値段ではありません。むしろそれよりも高い食材が給食ではわんさかありまして、野菜ではごぼう、ほうれん草、さやいんげん、万能ねぎなどの方が高いですし、豆ではインゲン豆、ひよこ豆などの方が高いです。そしてそれよりも高いのが鶏肉、豚肉、牛肉、魚などで、数年前に比べると魚の高値が本当に頭が痛い問題です。

 そのため、たんぱく質をとるのに肉を多く使うよりも、むしろレンズ豆や大豆などを併用した方が、給食では安く済んでいます。ご家庭ではみじん切りにされた「大豆ミート」や「大豆」その物を使った方が安い、手に入れやすい、使いやすいといった利点がもしあれば、大豆でもいいのかと思います。しかし、大豆はレンズ豆よりも少し味の主張があるので、全く同じというわけにはいきませんが、それでも昔から日本人の栄養を支えてきた食品ではあるので、栄養価については問題ありません。大豆も給食ではみじん切りにしてスパゲティミートソースに加えたり、コロッケに入れたり、チリビーンズドッグに入れたりしています。



【最後の補足ですが…】

 レンズ豆は、エネルギーの他にたんぱく質、鉄分、その他のミネラルやビタミンなどの栄養を幅広く含んでいます。特に鉄分は血液の素になり、成長期の子供達には重要なのですが、日常的に取りづらい栄養でもあります。しかし、レンズ豆はこの鉄分を多く含んでいることが、本当にありがたいところです。他に鉄分を多く含んでいる食品といえば、魚の赤身や血合い肉、レバーなどで、どうしてもクセの強い食品になってしまいます。砧中でも過去に「ひき肉にレバーミンチを1割ほど混ぜて作る」といった手法で鉄分を確保しようと工夫していましたが、いろんなご意見をいただいてこの工夫は無くなりました。

 しかし、生徒の健康と成長を支えるのが給食の目的の1つであり、厳しい栄養基準を満たすためには、やはり工夫が必要です。そのための最難関と感じるのが鉄分であり、給食ではレンズ豆を積極的に活用しています。しかし、鉄分は野菜や豆、海藻、身近な食品では納豆などにもしっかり含まれているので、ご家庭においては日頃からいろんな食品をバランスよく摂取していれば、特別に不安になる必要はないかと思います。


 少しでも参考になれば、嬉しく思います。



栄養士 岩黒