校長室の窓から〜『富岳の眺め』 No.11
- 公開日
- 2018/05/15
- 更新日
- 2018/05/15
校長室より
1980年代に世界的に活躍したロックグループ、
「ヴァン・ヘイレン」。
このグループにはある有名な逸話がある。
世界中で公演を行う彼らは
各国でステージ設置を行う会社との間に
契約書を交わすことになる。
グループから示される契約条項が
とにかく膨大で、細か過ぎる要求まで記されていた。
契約するステージ設置会社がうんざりするほど。
例えば
休憩のおやつにはボウル一杯のチョコレートを用意すること。
そのチョコレートは粒状でカラフルにコーティングしたもの。
そしてその中に茶色のチョコレートは決して混じらないこと。
万が一、茶色のチョコレートが混じっていたとしたら・・・
グループのメンバーは激怒して、
契約を破棄するほどだったという。
「ヴァン・ヘイレン」はわがまま、という噂が流れた。
果たして彼らは本当にわがままだったのだろうか?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
後にボーカルのデビッド・リー・ロスが真相を語っている。
大がかりな装置を必要とするステージでは、
安全対策が最優先である。
一つのミスも許されない。
契約をする会社が細心の注意を払って
ステージを準備しているかどうかを、
グループとしてチェックしなければならない。
茶色のチョコレートが混じるような会社は
契約書をしっかりと読み込んでいない。
そういった会社は小さなミスでも放置する。
自分たちグループは、安全を最優先するために
わざと膨大で細かい契約書を用意したのだ と。
その後、グループに対するわがままという噂は影を潜め、
「ヴァン・ヘイレン」は伝説となった。