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校長室の窓から〜『富岳の眺め』 No.21

公開日
2018/06/26
更新日
2018/07/01

校長室より

  正しいことをするか
  親切なことをするか
  迷ったら
  親切にしよう

映画『ワンダー 君は太陽』に出てくる格言。

原作は世界で300万部を売り上げた児童書『Wonder』。

作者のR・J・パラシオがある日幼い息子と
アイスクリームの店に出かけた。
そこで母子は頭蓋に障害のある少女と出会う。
少女を見て大声で泣き出した息子。
パラシオは慌ててその場を立ち去ろうとした。
障害のある少女の母親は娘に
「それじゃあそろそろ行かなくちゃね」と声をかけた。
優しく穏やかな声で。
その振る舞いと言葉はパラシオの心に突き刺さった。

自分のとった行動はそれで良かったのか悩むパラシオ。
夜、ラジオからはナタリー・マーチャントの
『Wonder』という曲が流れてきた。

障害者に対して
驚きや困惑の対象としての『Wonder』ではなく、
素晴らしいという意味での『Wonder』としての
メッセージを歌った曲である。

その夜、パラシオは児童書を書くことを決意した。
頭蓋に障害のある少年オギーの物語。
この小説の中で彼女はオギーの話を通じて
障害のある人との接し方がわからないと思われる側の
人たちについての物語も描いた。

映画を観ながら自然と涙が頬を伝っていた。

オギーと仲良くしたいのに傷つけてしまう友だち。
「手のかからない子」を演じてしまうオギーの姉。
いつも笑顔が絶えないオギーの家族を羨む姉の幼馴染み。
周囲の人たちを丁寧に描くことで、
この物語は私たち全ての物語となった。

  人は自分の見た目は変えられない
  でも自分の見方を変えることはできる