校長室の窓から〜『富岳の眺め』 No.28
- 公開日
- 2018/08/11
- 更新日
- 2018/08/11
校長室より
打ち上げ花火を横から見ると
果たして、平たいのか? 丸いのか?
1993年にTVドラマとして放送された
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』
物語の中で小学6年生の少年たちは花火について議論する。
そして彼らはその事を確かめるために、
打ち上げ花火が真横から見える場所に立つ灯台をめざして
小さな冒険の旅に出る。
🎇 🎇 🎇 🎇
花火が日本に入ってきたのは16世紀。
鉄砲伝来の時期と重なる。
そして江戸時代、
8代将軍吉宗は、飢饉と疫病の犠牲者を弔うため、
両国で水神祭を催した。
それに合わせて打ち上げ花火が披露されたと言う。
その花火を請け負ったのが、
当時の二大花火師である「玉屋」と「鍵屋」。
今の隅田川花火大会と
「たまや〜」の掛け声の始まりである。
その後、打ち上げ花火は夏の風物詩として全国に広まっていく。
🎆 🎆 🎆 🎆
ドラマに話を戻す。
灯台までの道のりは遠い。
疲れから言い争いが始まる。
転校していくクラスメートの少女への
淡い想いに心を揺り動かされながら
次第に当初の目的を見失っていく少年たち。
果たして彼らは
真横から打ち上げ花火を見ることができるのか?
そしてその形は、
平たいのか?
それとも丸いのか?
今はネットで検索すれば簡単に正解を見つけられる時代。
しかし、「なぜ?」と問い続ける気持ちと
それを自分で確かめようとする行動力こそが
子どもたちの探究する心を育んでいく。
夏休みの自由研究も
正解にたどり着くまでの道のりが
大切なのかもしれない。
※ 左欄の「コラム」に余録を掲載しました。