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校長室の窓から〜『富岳の眺め』 No.30

公開日
2018/08/18
更新日
2018/08/18

校長室より

「土用丑の日、鰻食すべし」

今から250年程前、
ある男が知人の鰻(うなぎ)屋から頼まれて書いた宣伝文句。
当時、鰻は冬が旬(しゅん)だとされていた。
この宣伝がきっかけとなり、
土用丑の日は鰻を食べる日として定着した。

その男、平賀源内(ひらが げんない)。
蘭学者にして、発明家、医者、画家、俳人・・。
現代で言う「マルチクリエーター」。
源内の才能の秘密をTV番組で紹介していた。

彼は一つの事を集中して学習するのではなく、
様々な事をランダムに学んでいたようだ。
まずは広い視野を持ち、
その上で物事を組み立てていくという発想。

現代の脳科学の研究において
この学習方法の効果が証明されている。
その名は『インターリーブ学習』。
「不連続」「ランダム」を意味するこの学習の方が
人間の長期記憶に有効に作用すると言う。

読書も同じ本を集中して読むよりも、
関連する本を併読する方が身に付くらしい。
まさに源内はこの学習方法で才能を開花させた。


1限目国語、2限目理科、3限目音楽・・・
我が国の学校で採用されてきたこの教育活動、
見方によってはインターリーブ学習。
理にかなった学習形態なのかもしれない。

さて、平賀源内。
彼の発明した医療器具「エレキテル」。
一時的には話題にはなったものの、
時代の先端を行き過ぎていたことで、
次第に人々から忘れ去られていくことになる。

しかし現代の最新医療機器に
この原理が応用されていると言う。

恐るべし、平賀源内。