校長室の窓から〜『富岳の眺め』 No.51
- 公開日
- 2019/01/05
- 更新日
- 2019/01/06
校長室より
前回に続き「手紙」の話題を。
幕末を風のように駆け抜けて行った坂本龍馬。
時代を越えて今も絶大な人気を保っている。
その龍馬の人間的な魅力の一つが
現存する約150通の手紙。
例えば姉の乙女にあてて書いた手紙。
尊敬する勝海舟の門下生となり、
得意満面で記された言葉が
「エヘン エヘン」。
妻のおりょうと日本初のハネムーンに行った際には
その旅の様子を事細かにイラストに描いている。
さしずめ現代で言う
顔文字や絵文字の多用。
そのユーモラスな手紙の内容から
龍馬に対する親しみがわいてくる。
先日、テレビ番組で紹介されていたのは
姉の乙女の気持ちが沈んでいる時に出した手紙。
姉を励ます内容が書かれているのはもちろんだが、
手紙全体が一定のリズム感を持っているのだ。
それはまさにラップのリズム。
読む人の心をウキウキさせ、
喜ばせようと工夫されている。
そして、この読み手のことを想い、
相手の立場に立って
相手に気配りする力こそが、
時代の先を読み、時代を変えようとした
龍馬の能力とつながっていることが
最新の脳科学としても証明できると言う。
龍馬の未来を予測する力の源泉は
「手紙を書くこと」にあったのだ \(◎o◎)/!
🗻 🗻 🗻 🗻
「日本を今一度せんたくしたく申候(もうしそうろう)」
幕末、ほとんどの人が
今の「都道府県」にあたる「藩」という視野でしか
世の中を見ていなかったその時代。
その中で「日本」というレベルで物事をとらえていた人間が
果たしてどれくらい存在していたであろうか。
さらにはその「日本」を「洗濯」しようとまで言うのだ。
龍馬が描いた夢は
彼の志(こころざし)を継いだ人たちによって
次々と実現していくことになる。
さて、新年にあたり皆さんはどんな夢を描いたでしょう。
未来を予測する力を養い、
夢を実現するために
まずは「手紙」を書くところから始めてみませんか?
相手の立場に立って
相手の事を想いながら。