校長室の窓から〜『富岳の眺め』 No.57
- 公開日
- 2019/02/17
- 更新日
- 2019/02/17
校長室より
オランウータン。
霊長目(れいちょうもく)ヒト科の生き物の中で
珍しく「群れない」性質であると
NHK・ETVの番組で紹介されていた。
確かに動物園で見かけるその姿は
「孤独」というよりも
「孤高」といった雰囲気を漂(ただよ)わせている。
一方、同じヒト科に属するチンパンジー。
集団生活の中で周囲を気遣(きづか)いながら、
仲間たちから嫌われないように
常に自らをアピールし続けている。
チンパンジー集団の騒々(そうぞう)しさは
一匹一匹の抱く不安の現れかもしれない。
それでは、同じヒト科に属している私自身は、
果たしてどちらのタイプに近いのだろうか?
🐒 🐒 🐒 🐒
これまで自分ではオランウータン的では、と感じていた。
若い頃から一人暮らしが長かったせいで、
「群れない」過ごし方がいつの間にか身についていた。
読書するも良し、映画を観るも良し。
いや、本当にオランウータン的だろうか?
よく考えてみると読書や映画の感動体験を
つい誰かに伝えたくなってしまう。
このコラムを書いていること自体、
誰かに認めてもらいたいという
寂しさの現れかもしれない。
私はチンパンジー的なような気がしてきた。
🎤 🎤 🎤 🎤
世界的シンガー、レディー・ガガ。
自らの才能を開花させ、輝き続ける彼女は
現在、映画初出演にして
アカデミー主演女優賞にもノミネートされている。
常に独自の道を歩んでいる彼女の言葉。
「高校の時、友だちみんなは
Googleで働きたいって言ってたの。
でも私はそこで検索される人間になりたいと思ってた。」
周囲を気にして
いかに自分を受け入れてもらうか、
日々追われているタイプの人間にとっては
彼女のメッセージは鮮烈で異彩(いさい)を放っている。
さて、みなさんの周囲との関わり方は
オランウータン的?
それともチンパンジー的?