校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.73
- 公開日
- 2019/06/16
- 更新日
- 2019/06/17
校長室より
かつて私は社会科授業の中で
BGMを多用していた。
昭和の時代はカセットテープで、
平成になってからはCDを使って。
前回のコラムで紹介した「人見絹枝」。
彼女の生涯を当時あるTV番組で知り、
どうしても教材として授業で生徒に伝えたいと
関連する本を何冊か読んだ。
そして「大正以降の女性の社会進出」というテーマで
彼女の生き方を取り上げ、授業を行った。
授業の最後でBGMを流した。
香港のロックグループ「BEYOND」の
『遥かなる夢に 〜 Far Away 〜』。
この曲は「人見絹枝」を知るきっかけとなった
TV番組のエンディングで流されていた。
この曲を使って授業を行った最初のクラスでのこと。
自分自身の思い入れも強かったこともあり、
曲調と歌詞の内容が「人見絹枝」の人生と重なり、
BGMを聴きながら
私は思わず生徒たちの前で涙を流していた。
生徒たちに気づかれないよう取り繕(つくろ)う私。
しかし、ふと見ると
何人かの生徒たちも同じように涙を流していた。
思い悩み傷つき
眠れない夜もあった
信じ合い肩を支えて
励まし合ったあの日
終わりのない旅の途中で
振り向けば君がいる
人は皆一人きりじゃ
生きていけないから
この胸に希望の鐘(かね)
明日も鳴らすだろう
🏃 🏃 🏃 🏃
砧中運動会。
「もし自分のせいで・・」と
不安になる生徒もいる。
当日まで眠れぬ夜を過ごすかもしれない。
練習では失敗した生徒に
「大丈夫、気にするな」と声をかけるクラスメート。
信じ合い、肩を支えて、励まし合う姿。
いつの日か、この日々のことを
振り向けば仲間がいた日々のことを
思い出してほしい。
人は皆一人きりじゃ
生きていけないから。
運動会直前、
久しぶりに『遥かなる夢に』を聴いてみた。
今年の運動会では
どんなBGMが生徒たちを励ますのだろう。
18日火曜日、
仕切り直して
砧中学校運動会が開催される。
※「コラム」欄に「余録」を掲載しました。