校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.105
- 公開日
- 2020/01/12
- 更新日
- 2020/01/12
校長室より
以前No.97で紹介した未確認生物ネッシー。
私はその中でネッシーは恐竜ではなく、
巨大ウナギ説が有力となっていると書いた。
しかし、先日ネス湖で調査をした大学教授の
実際の記者会見映像をテレビで見て疑問に思った。
記者会見のやり取りは以下の通り。
教授
「恐竜と思われるDNAは検出されなかった」
「一方でウナギのDNAが多く検出された」
記者
「ネッシーが巨大なウナギの可能性は?」
教授
「その可能性は否定できない」
私が最初に読んだネットニュースの見出しでは
巨大ウナギ説が有力、と書かれていた。
しかし、記者会見映像をよく見てみると
教授の説明は見出しとは少し違うことがわかる。
教授は自ら巨大ウナギとは言ってはいない。
記者からその可能性を質問されて
「否定できない」と言っただけなのである。
確かにネットニュースの記事をよく読むと
「実際はまだわからない」と最後に書いてある。
それでも見出しの影響を受けて
私はいつの間にか ネッシー = 巨大ウナギ
そんな印象で受けとめていたのだ。
結局、ネッシーの正体は謎のままである。
情報を鵜呑(うの)みにしない、
日頃から生徒たちに伝えていながら
改めてその難しさを思い知り、私は反省した。
🔬
2018年6月に発生した大阪府北部地震。
地震発生直後にSNSを通じて
「電車が脱線した」との情報が広まった。
しかし、実際には脱線した事実はなかった。
なぜ、そんな情報が流れたのか?
誰かが悪意を持って流したのか?
その後、SNSの記録を調査してみると
誤った情報がいかに広まったのかが見えてきた。
地震発生直後、SNS上にこんなコメントが出た。
「電車が脱線するかと思った」
それを受けて次にこんなコメントが出た。
「電車が脱線したの?」
さらにコメントが出る。
「電車が脱線したらしい」
そしていつの間にかこのコメントになっていた。
「電車が脱線した」
「脱線していない」より
「脱線した」に人は反応する。
「ネッシーはまだ何かわからない」より
「ネッシーは巨大ウナギ?」に反応してしまった私である。