校長室の窓から〜『富岳の眺め』No.127
- 公開日
- 2020/06/21
- 更新日
- 2020/06/21
校長室より
No.127【バスに乗る】
富岳の眺めNo.104(2020.1.3)で
THE BLUE HEARTS『青空』を紹介した。
🎵
生まれたところや
皮膚や目の色で
いったいこの僕の
何がわかるというのだろう
🎵
アメリカで起きた
警官による黒人男性死亡事件。
世界中で人種差別に反対する運動が
今、大きなうねりとなっている。
🗽
1955年12月、
アメリカ アラバマ州モンゴメリー市。
一人の黒人女性が警察に逮捕された。
白人にバスの座席を譲らなかったためだ。
当時の法律では
バスの中での座る場所は
白人と黒人で分けられていた。
またバス内が混雑している時は
黒人は白人に席を譲ることになっていた。
女性はそれを拒んだのだ。
女性の名前はローザ・パークス。
この逮捕をきっかけとして
黒人たちはバスをボイコットする。
その運動の先頭に立ったのが
26歳の若きキング牧師である。
ボイコット運動は
数々の妨害にも関わらず
11ヶ月間続いた。
仕事場まで何キロも歩き続ける人々。
モンゴメリー市のバス事業は
乗客の激減により経営が厳しくなり、
ついにバス内の差別を撤廃する。
これまで白人優先だったバスの前方席。
その席に座り、笑顔を見せる黒人たち。
その後、全米に
人種差別の撤廃を求める
「公民権運動」が広がっていく。
🇺🇸
2020年6月
平和的に問題を解決しようと
人種を越えてデモ行進する人々。
かつてバスをボイコットして
歩き続けた人々と重なる。
人の心を動かすのは
暴力では決してない。
信じるもののために
歩き続けるその姿であり、
音楽に込めたメッセージなのである。
最後にもう一度『青空』の歌詞から。
🎵
運転手さん、そのバスに
僕も乗っけてくれないか
行き先ならどこでもいい
こんなはずじゃなかっただろ
歴史が僕を問いつめる
まぶしいほど
青い空の真下で
🎵